人工透析
人工透析(じんこうとうせき)は、腎臓病(腎不全)で腎臓の機能が著しく低下した患者に実施する医療行為(処置)の一つで、腎臓の機能を人工的に代替することである。単に透析とも呼ばれる。
腎不全を患った患者が尿毒症になるのを防止するには、外的な手段で血液の「老廃物除去」「電解質維持」「水分量維持」を行う必要がある。
日本では腎不全を解決する腎移植への認知が普及していないため、2017年(平成29年)11月現在で約32万人の透析患者がいる。
日本の透析患者の全体(約32万人)の約98%が人工透析の治療を受けている。
透析の種類[編集]
- 【血液透析】
血液透析は、腕の血管に血液を取る側(脱血)と返す側(返血)の2本の針を刺す「穿刺(せんし)」を行い、血管チューブと透析装置を繋ぐ。血液チューブを通じて血液を身体外へ送り出し、血液ポンプを使って送り出された血液は「ダイアライザー(ろ過器)」を通じて血液中の老廃物を浄化し、余分な水分を身体の外に排出し除水します。きれいになった血液は、血液チューブを通じて返血され身体内に戻します。
血液透析にかかる時間は1回で約3時間〜約4時間で、週3回行います。これら血液透析の治療は、医療機関(透析病院や透析クリニックなど)で医師(透析専門医や腎臓内科医)の指導のもとに看護師や臨床工学技士などの医療従事者から透析患者に対して実施される治療である。透析患者の全体の約97%が医療施設での「血液透析」を行っている。
- 【腹膜透析】
腹膜透析は、身体の腹部にある腹膜を利用して血液を透析する方法で、腹腔内に大量の透析液をチューブを通じて注入し、一定時間が経過後に身体外に老廃物を廃液することを繰り返す治療法である。「腹膜透析」は1回約30分程度で、1日に3回~4回実施される。「腹膜透析」は患者本人や患者の家族などが行う。「腹膜透析」は「血液透析」(施設透析ともいう)と比べると普及率が極端に低い。