ヴェイユ予想

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ヴェイユ予想(ヴぇいゆよそう,Weil conjectures)は数学者のアンドレ・ヴェイユが予想し、アレクサンドル・グロタンディークを経てピエール・ルネ・ドリーニュにより1974年に解決された、数論の大定理である。

概要[編集]

ヴェイユ予想を解決するため、スキームエタールコホモロジーといった現代数論における重要な概念が作られた。現代の代数幾何学数論のフレームワークが形成された。1950年代から1970年代に掛けてヴェイユ予想は数論の重要な問題であった[1]。ヴェイユ予想は単なる一般化ではなく、抽象的な代数多様体の位相に対する深い洞察から生まれた定式化であり、その後の代数幾何全体の飛躍的発展において重要な指導原理となった。

ヴェイユ予想[編集]

ゼータ関数 ζ(X、S)のXは、下記定義による。ζ を有限体上定義された N 次元射影非特異代数多様体とする。

 ζ(x,s)=exp(Σ(Nm/m

q-ms)

合同ゼータ関数 ζ(X, t) は次の性質(1),(2),(3)をもつ。(ヴェイユ予想)

(1)

ζ(X、t)=P1(t)P(t)・・・Pn-1(t)/P0(t)P2(t)・・・Pn(t)

Pq(t) は最高次係数が 1 の整数係数多項式である。Pi(t)の次数はi次元Betti 数に等しい。

(2)多項式 Pq(t) の次数を bq とおき,X の Euler 数を χX = Σ(−1)qbq と定める。Z(X, t) は,次の形の関数等式をみたす。

*Z(X,(pNt−1)=±qNχXZ(X, t)

ここで

χ=b0-b1+b2-B3+・・・b2n

である。


(3)X が有理数体上の射影非特異代数多様体 V の p を法とする還元ならば,bq =degPq(t) は,V が定める複素多様体の特異コホモロジーの Betti 数

dim Hq(V (C), Q) 

と等しい.

ドリーニュの証明[編集]

ピエール・ルネ・ドリーニュの証明[2]

[編集]

  1. 長谷川雄之(1997)「数論への適用/志村-谷山-ヴェイユ予想の一般化の検証 (特集/計算の現在)」数学セミナ- 36(6), pp.12-15
  2. PIERRE DELIGNE(1974)La conjecture de Weil : IPublications mathématiques de l’I.H.É.S., tome 43 ,pp.273-307