ルキニア

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ルキニア(Lucina、生没年不詳)は、古代ローマの女性。元老院議員のペトロニウス・マクシムスの妻で、美人だった。

生涯 =[編集]

元老院議員の妻として[編集]

夫であるペトロニウス・マクシムスは有力な元老院議員・貴族だった。ルキニアは、その若く美しい妻として有名だった。そして、淑やかな彼女は、夫に忠実だった。

ところが、夫のマクシムスは、皇帝ウァレンティニアヌス3世との賭博に負けた結果、彼は結婚指輪を取り上げられてしまう。皇帝は暴君として知られていた。しかし、マクシムスは、皇帝がその指輪を悪用するとは思いもよらなかった。

凌辱[編集]

ルキニアは結婚指輪とともに手紙を受け取った。夫からの手紙だと信じて宮廷に出向いた彼女は、皇帝の寝室に連れ込まれた。犯されそうになった彼女は「おやめください」と泣きながら許しを乞うが、衣服を無理やり脱がされてしまう。そのままベッドに押し倒された彼女は、一晩にわたってレイプされた。

辱められたルキニアは、家にたどり着くと、「どうしてわたしを売ったのですか?」と夫を非難した。マクシムスは驚き、そして皇帝を憎むようになり、暗殺を決意した。この逸話は、ヨハネスの年代記に記されており、有名な『ローマ帝国衰亡史』においても語られている。

その後[編集]

ペトロニウス・マクシムスは皇帝を暗殺し、帝位についた。彼が最初に行ったことは、先帝の皇后であるリキニアを復讐として犯すことだった。嫌がるリキニアを、マクシムスは自身の妻とした。

このとき、ルキニアがどのような状態にあったかはわからず、あるいは先帝に強姦された後に自殺していたのかもしれないし、離縁されたのかもしれない。

この直後に、ゴート族のローマ侵入が起こり、ペトロニウス・マクシムスは殺害された。ゴート族に囚われたリキニアと先帝の皇女たちは、ひとしく蛮族の性奴隷となった。生きていたとすれば、ルキニアも同様の憂き目にあい、犯される日々を送ったのかもしれない。

脚注[編集]

関連項目[編集]