リアルタイムバトル将棋
『リアルタイムバトル将棋』とは、シルバースタージャパンが開発した PS4 及び Nintendo Switch 向けゲームである。略称は「RTB将棋」。
日本eスポーツ連合の公認タイトルにも指定されている。
概要[編集]
ふつうの将棋のようなターン制ではなく、リアルタイムでお互いがお互いの駒を自由に動かすことができる。駒は動かしたあと、一定秒数のあいだ再度動かせない「クールタイム」が存在する。
たとえば「歩兵」は一度動かすと3秒間動かせない。価値の高い駒ほどクールタイムが長く、大駒の「飛車」「角行」では6秒ものあいだ動かせなくなる。そのため、ふつうの将棋では非常に強い飛・角が、本作ではかえって使いづらい駒となる逆転現象が起きている。
ただし、「王将」だけは例外でクールタイムは3秒しかない。もし王将のクールタイムが長かったら「相手が王将を動かす→すぐ目の前に歩を打つ→王将のクールタイムが解除されるより先に歩で取って勝ち」という、くそつまんない決着が頻発してしまうので、当然の措置といえよう。
駒 | クールタイム(秒) |
---|---|
歩 | 3 |
香 | 4 |
桂 | 4 |
銀 | 6 |
金 | 6 |
角 | 6 |
飛 | 6 |
玉、王 | 3 |
ふつうの本将棋との奇妙な一致[編集]
上級プレイヤーは、玉将のクールタイムの短さを活かして玉みずから攻めに参加する、いわば「棒玉」[1]作戦をしばしば行う。戦いの最前線で王将がひらりひらいと舞い踊るさまは、初見で脳が破壊されること間違いなしである。
ちなみに、ふつうの本将棋では流石に「棒王」作戦を行う棋士こそいないものの、王将の利きの強さを活かして相手の攻めを正面から受けとめる指し回しは、現代将棋の主流となっている。かつて(平成初期ごろまで)は王将を深く・固く囲うのが主流であったが、現在では深く引かずにある程度前に出し(といっても2〜3段目くらいまでだが)、守備力の要とする考えが一般化している。元奨励会員のあらきっぺは「耐久性理論」という造語を使って、この現代感覚を簡明に解説している。
現代将棋では自陣の守備力を向上するために、玉を守備の要として扱うケースがあるのだ。
(中略)
玉という駒は狙われると負けに直結するので、なるべく戦場から離れた場所に置くことがセオリーだ。(中略)[しかし、] これらの変化において後手の玉は、全く受けに働いていない印象を受けるのではなかろうか?
そう、後手は玉を引いたことにより、自陣の守備力が落ちてしまったのだ。 — あらきっぺ『現代将棋を読み解く7つの理論』 p.66〜69
そう、ゲームも本将棋も王様自ら前線へと出ていく時代なのだ。令和はプレイングマネージャーが尊ばれる時代であり、また獅子心王リチャードの時代でもある。