ラジエター
ラジエターとは熱交換器の一種である。自動車などの冷却に使われるほか、セントラルヒーティングなどの暖房として利用されることもある。
概要[編集]
ラジエターは高温の液体や気体を熱伝導率の良い金属を用いて空気中にその熱を発散させ、内容物の温度を下げる熱交換器である。液体や気体を通す金属製のチューブの周りにはフィンと呼ばれるパーツが付いており、表面積を増やすことで効率的に熱を交換する目的で設けられている。このチューブとフィンを合わせて「コア」と呼ばれており、文字通り冷却性能の要となっている。
ラジエターの冷却効率を上げるためにファンが用いられることもあり、自動車のみならずCPU冷却用に至るまで多岐にわたって利用されている。
自動車[編集]
水冷エンジンが一般的な現代においては必ず搭載されているといってもいい装置である。エンジンは常に高温にさらされているため、冷却水をエンジンブロック内部に循環させ、経路にラジエターを通すことでエンジンのオーバーヒートを防ぐ重要な役割を担っている。
エンジン始動直後などでエンジンが適正温度より低い場合、そのままで冷却水を循環してしまうとエンジンの温度が上がらないオーバークール状態になってしまうため、サーモスタットなどを冷却経路上に設けて冷却水が一定温度になるまで経路を遮断したり電動ファンを回さなないという制御も行われている。
ターボチャージャー搭載型の自動車におけるインタークーラーもラジエターの一種であり、圧縮されて高熱になった空気を冷却するための装置である。
パソコン[編集]
パソコンのCPUの冷却について、一般的にはヒートシンクとCPUファンによる空冷がスタンダードとなっている。一方で自作パソコンや熱量の大きいゲーミングパソコンにおいては自動車同様に冷却水とラジエターによる冷却を行う水冷パソコンもみられる。冷却性能が高いものの、メンテナンスを怠った結果による冷却性能の低下や不注意な取扱いにより冷却液をぶちまけたりすることによる故障の危険性も少なからず存在する。また、水冷も空冷も室温以下に下がらないことには変わりない。水冷の利点は空冷に比べて静寂性に優れること、見た目が良いことなどであり、デメリットを超えるメリットを享受できるかが選定の肝となる。