マクドナルド化

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マクドナルド化(-か)は、マクドナルドのような合理化が社会全体で進んでしまった結果、脱人間化という非合理的なものが起こってしまうという現象。アメリカ社会学者ジョージ・リッツァが提言した。

概要[編集]

マクドナルドなどのファーストフード・レストランでは、コストや経費を削減するために様々な合理化が進められている。例としては、マニュアルが上げられる。

このような合理化は、ファーストフード以外にも教育や医療など様々な業界で広まっている。またこれらはグローバリゼーションを通じて世界中に広まっている。

このような合理化が進んだ結果、合理化の非合理性、脱人間化すなわち人間の行為の機械化が進行しているということをリッツァは警笛を鳴らした。

なおこの概念はマックス・ヴェーバー官僚制、及び彼の著書である「鉄の檻」を元に発想されたものである。

マクドナルド化の4つの合理性(または次元)[編集]

マクドナルド化には以下の4つの合理性があるとされている。

効率性(Efficiency)
これは目標に対して最も最良な手段で追及することであり、つまりはより早く、より効率よく目標に近づくことである。
事例としては商品数を限定する。作り方をマニュアル化する。客にも働かせる[1]などがある。
計算可能性(Calculability )
計算が可能なものを強調する事。この場合は特に質より量を重視する事を指す。[2]また、従業員に対しても生産過程を簡素化して、商品を大量に生産する事を求めている。
予測可能性(Predictability)
これはチェーン店ならどの店に行っても、同じ物の商品やサービスができることにより、消費者がその店の商品やサービスを予測可能にしているということである。予測可能になると、人は安心感を感じ、そして受け入れようとするのである。また、従業員の行為もマニュアル化されることにより、客も従業員も行為の予測か可能になるのである。
制御(Control)
生産者はマニュアルなどによって制御されている。一方で客の方もセルフサービスやメニューの選択などによって制御されているのである。つまりはロボット人間のようなものである。

メリットとデメリット[編集]

  • マクドナルド化によるメリットとしては、サービスにおいてプロフェッショナルが不要になること、マニュアルを参考することにより教育が不要になること、提供される価値が均一化すること、コストを安く抑えることにより顧客層が拡大することが挙げられる。[3]
  • デメリットとしては、質の低下、従業員(労働者)の機械化、[4]機械化によってスキルが不要になることにより、非正規雇用労働者のスキルアップやキャリアアップが困難になることが挙げられる。

脚注[編集]

  1. つまりセルフサービス
  2. 例えばビックマックは名前だけ見て明らかに量が多いと分かるだろう。
  3. マクドナルド化する社会|ビジネスモデルにおける強みや注意点、今後の社会について-2021年3月20日閲覧。
  4. マクドナルド化する社会|ビジネスモデルにおける強みや注意点、今後の社会について-2021年3月20日閲覧。

参考資料[編集]