プラダジャパン事件

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プラダ女性差別事件は、プラダジャパンが「不当解雇」を行ったとして元従業員のリナ・ローズが2009年に東京地裁に提訴した民事裁判である。

経過[編集]

2010年5月15日、プラダ店舗の元女性管理職の社員達も女性の権利の侵害を主張してプラダジャパンに対する民事訴訟を提起した。ローズの主張によれば、人事部長から「髪型を変えろ」「やせろ」といった発言を受けており、それをローズは指摘したが、後に解雇されたという[1]

判決[編集]

2012年10月26日、東京地裁はリナ・ローズが主張する「上司が『醜い』と発言したとは認められない」として解雇は有効と判断した。一方で「体形に関する発言は配慮を欠いた面がある」とも認定したが、「別ブランドの製品を身につけて出勤していたことを注意するのは社会通念上、相当」であると認定して、損害賠償請求については「慰謝料を認めるほどではない」と判断してリナ・ローズ側の訴えを退けた[2][3][4]

プラダジャパンによる提訴[編集]

プラダジャパンは、リナ・ローズらによる事実と異なる喧伝によってブランドのイメージとロゴが傷ついたとの名誉毀損を請求原因として7,200万円の損害賠償[5]を求める別訴をリナ・ローズに対して提起した[6][7][8]

2013年11月12日、東京地方裁判所は、リナ・ローズのマスメディアに対する情報提供行為とプラダジャパンらについての名誉毀損記事掲載との間に相当因果関係を認め、リナ・ローズに計330万円の損害賠償金支払いを命じた[7][8][9][10]

脚注[編集]

  1. “プラダの元部長、「セクハラ指摘で解雇」と民事訴訟へ”. MSN産経ニュース. (2010年4月16日. http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100416/trl1004161653009-n1.htm 2023年7月1日閲覧。 
  2. “プラダ元女性部長敗訴”. Nippon Television Network Corporation. https://news.ntv.co.jp/category/society/216567 2023年5月31日閲覧。 
  3. “外国会社の日本法人の従業員がマスメディアに対してした情報提供等を理由とする懲戒解雇が適法であるとされた事例(東京地判平24・10・26)”. 判例時報 (判例時報社) (2223): 112. https://hanreijiho.co.jp/wordpress/book/%E5%88%A4%E4%BE%8B%E6%99%82%E5%A0%B1-no-2223/ 2023年6月4日閲覧。. 
  4. 山﨑文夫. “セクシュアル・ハラスメントと虚偽申告”. 國士舘法學 (50): 212-214. https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=13163&item_no=1&attribute_id=189&file_no=1 2023年6月4日閲覧。. 
  5. “60,000 sign petition in one week for fired Prada employee”. The Japan Times. (2013年5月2日 
  6. Matsutani, Minoru (2010年8月25日). “Prada countersues plaintiff claiming harassment”. The Japan Times. http://www.japantimes.co.jp/news/2010/08/25/national/prada-countersues-plaintiff-claiming-harassment/#.UsV6SzndGfQ 2014年2月15日閲覧。 
  7. a b “東京地裁平25.11.12判決 1 世界的に著名なファッションブランドの日本法人の幹部社員が同社において女性従業員に対する年齢,容姿等外見的な理由によるハラスメントが行われているなどと新聞記者の取材等において発言し,その発言が記事として掲載されるなどした場合について,真実性及び相当性の抗弁が排斥され,損害賠償責任が認められた事例 2 マスメディアに対する情報提供行為とマスメディアによる記事の掲載による社会的評価の低下との間に相当因果関係があるとされた事例”. 判例タイムズ (判例タイムズ社) (1418): 252. https://www.hanta.co.jp/books/6512/ 2023年6月4日閲覧。. 
  8. a b “1 世界的に著名なファッションブランドの日本法人の幹部社員が同社において女性従業員に対する年齢、容姿等外見的な理由によるハラスメント及び従業員に対する自社商品の購入強制が行われているなどと新聞記者の取材等において発言し、その発言が記事として掲載されるなどした場合について、真実性及び相当性の抗弁が排斥され、損害賠償責任が認められた事例 2 マスメディアに対する情報提供行為とマスメディアによる記事の掲載による社会的評価の低下との間に相当因果関係があるとされた事例(東京地判平25・11・12)”. 判例時報 (判例時報社) (2216): 81. https://hanreijiho.co.jp/wordpress/book/%E5%88%A4%E4%BE%8B%E6%99%82%E5%A0%B1-no-2216/ 2023年6月4日閲覧。. 
  9. 裁判例における真実相当性に関する判断の概要”. 消費者庁. p. 11. 2023年6月4日確認。
  10. 山﨑文夫. “セクシュアル・ハラスメントと虚偽申告”. 國士舘法學 (50): 214. https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=13163&item_no=1&attribute_id=189&file_no=1 2023年6月4日閲覧。. 

関連項目[編集]