プラウトヴィレッジ

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プラウトヴィレッジ(プラウトビレッジ、英: Prout Village)は持続可能な社会システムで、貨幣が存在しない仕組み。これは資本主義社会主義などに変わるもの。

気候変動、それに伴う海面上昇や山火事、食料問題貧困戦争、エネルギー問題、政治腐敗など、あらゆる社会問題は直接的、間接的にお金とつながっており、そのため脱貨幣社会することでこれらの問題が解決されるとし、その方法を示している。

生活の基本形[編集]

具体的な方法としては、食物、エネルギー、教育、生活品、住居など、生活に必要なものを地元の資源で地元の人々が作るという自給自足が基本となっている。

食物は農薬などを使用しない自然農法や建物内で水耕栽培を行う。そのため土地は個人の所有ではなく、誰もが使用できる共有財産という考えになり、各個人に一定の広さが割り当てられる。

住居は土を使ったアースバック工法でドームハウスを基本形とし、曲線が特徴的な住居となる。これは袋に砂を入れて積み上げるもので、作業が簡単で誰でも参加でき、強度もある。

住居や家具、生活品で主に使われる自然素材は竹。これは3年ほどの生育期間で大きく固く成長し、比較的どこでも成長するため。そうすることにより育つのに時間がかかる樹木を切り倒す必要性が限りなくなくなる。

エネルギーは小型水力発電を基本にすることによって24時間、海や川から電力を得られる。プラウトヴィレッジには企業が存在せず、過剰な経済活動がないため電力の消費量も下がる。小型水力発電に加えて地中に電極を刺して得る植物発電や、刈り取った草や生ゴミからガスを得るバイオマス発電も加わる。これらは大規模生産設備を必要とせず、地元の資源から作り出される。ただ発電量が低いので数が必要となる。 太陽光発電は主電源として考えられておらず、その理由は素材の1割ほどが有害物質となっているため、後処理で埋め立てが必要となり、持続可能な選択肢ではないため。

食物、住居や生活品、エネルギーの自給自足に加え、移動の自由は電気自動車と電車によって行われる。これらも地元の資源で地元の人々が作るため無料で利用でき、お金がなくても外国へ行くことができる。

こうして生活に必要な基本的な要素は、住民が自分たちで作り出し、無償で利用し合う。すると企業で働いて給料をもらわなくても生活ができ、企業や経済活動はなくなってくる。それが世界中の社会問題を解決することにつながる。企業がないということは就職のための学歴も必要なくなり、学校へ行く必要もなくなる。そのためプラウトヴィレッジでの教育は次のようになる。

自給自足で生活が完結し、学校や会社へ行く必要がなくなった人々は、各地で好きなことをして過ごしている。その一つ一つのグループが教育の場所となる。例えば子供がスポーツに興味が出れば、そのグループへ参加したり、語学に興味がでればそれを教えてくれる人の所へ行ったりなど。そのようにして好奇心を第一に参加していくと、本人の得意なことに出会う確率が高くなり、やがて天職や適職に出会う人も多くなる。それは個人の能力が最大限に発揮される道でもある。仮に何にも興味がでなくてもその人が貧困に陥ることはなく、自給自足によって生活を行うことができる。

教育[編集]

プラウトヴィレッジでは教育の一つとして「学び方を学ぶ」ことの必要性を説いている。これは80%ほどの割合で独自に学びを進め、わからないことがあった場合は先生やコーチに聞くという方法。人間という体を持つ上で誰もが成長の流れは同じであり、次のことの繰り返しとしている。

1、好奇心に従う 2、実践と小さく簡単な技術や知識から反復 3、長時間、長期間、意識高く反復するほど能力の質が高まる。

最終的には反復量によって成長量が決まり、そこに身体能力や環境の影響が加わってくる。好奇心に従うことで学びが主体的になり、その継続によって、分析し計画する力、新たにチャレンジする姿勢などが身に付いてくる。その過程で大小の成功の繰り返しが自信と理解へとつながる。

推薦選挙[編集]

プラウトヴィレッジでは街の安定した運営のために、まず誠実で、その中で能力の高い人物がリーダーとして選ばれることが必要としている。つまり資本主義社会などで見られる立候補性の選挙システムを採用しておらず、住民による推薦選挙を提唱している。

立候補性の選挙システムの問題点として、我欲が薄く性格の良い控えめな人物が出てきづらく、欲の強い人物が出てきやすいことをあげている。「我欲が強い=自我が強い」としており、自我に振り回されている人物は攻撃的で、地位や名声、物質的な物の獲得欲が強く、リーダーとして平和な社会を築くことはできないと説明している。

反対に自我に振り回されず欲の少ない人物は内面に争いがなく、そのため平和な社会が築けるとし、そういった誠実な人格者がリーダーに相応しいとしている。その人格者の中からなにかしらの能力の高い人物を住民が選んで推薦するという仕組みになっている。こうして世界各地で誠実なリーダーが選ばれることで、戦争や争いのない社会を築く。

自我から意識へ[編集]

幸せの基準は人によって様々だが、プラウトヴィレッジでは思考に振り回されず無心になることによって訪れる穏やかさが、人間の本質的な幸せだとして推奨している。その理由として、一般的な何かを獲得して得られる喜びや幸せは一時的で、それを失ったり、その喜びに慣れてしまうとまた欲しくなり、苦しみに変わる。

例えば、興味のある異性と付き合うことになり、始めは喜びがやってくる。やがてその喜びにも慣れてきて、喧嘩が増え、一緒にいることが苦しくなるというような。また喉が渇いたという苦しみが訪れ、水を飲むことで癒されて喜び、また喉が渇いて苦しむというような。

こういった苦しみと喜びの終わりのない繰り返しは思考がもたらすものであり、それに人間は振り回される。そのネガティブとポジティブの間にある無心の状態になって思考を止めると、穏やかさが訪れ、それが苦しみのない幸せな状態としている。つまりここで言う幸せとは嬉しいなどの一時的なポジティブな感情ではなく、穏やかで静かな状態を指している。思考は自我であり、欲、怒り、妬み、悲しみなども思考によるもので苦しみを生み出す。

心が比較的無心にとどまっている人ほど自我から離れており、「意識として在る」状態にある。自我から離れ、意識として在る度合いが大きい人ほど誠実性が高くなり、人格者としてリーダーに適しているとしている。プラウトヴィレッジでは無心になる方法も教育の大事な一つであるとしてまとめており、それを知った上で推薦選挙を行うことが重要としている。

プラウトヴィレッジで解決される社会問題の例[編集]

気候変動地球温暖化と、それに伴う海面上昇や山火事の問題
・合法違法問わず森林伐採と森林減少
・食料問題と貧困
・戦争と核兵器
・地震
・エネルギー問題
・埋蔵資源の枯渇
・過剰な科学技術の発展スピード
・政治の腐敗や汚職
・いくつかの国で見られる人口減少問題や、地球規模での人口増加問題
・大量廃棄されたゴミの問題、海に漂うマイクロプラスチック問題
・売春、人身売買
・いじめ問題の大幅な減少
など

これらの問題は国、企業、組織、個人のどの段階でもお金を求める活動と関係しており、貨幣社会がもたらしたものであるとしている。脱貨幣社会することで経済活動がストップし解決される流れとなる。

参照文献[編集]

  • 久保田, 啓敬 『持続可能な社会 プラウトヴィレッジ 第2版』 YANKA、2023年。ISBN 979-8394639760