フランツ・ヴェルザー＝メスト

フランツ・ヴェルザー＝メスト（Franz Welser-Möst, 1960年8月16日 - ）は、オーストリア出身の指揮者。

リンツにてフランツ・レオポルト・マリア・メスト(Franz Leopold Maria Möst)として生まれる。母マリリーズは政治家、父フランツは医者であった。1974年にリンツ音楽ギムナジウムに入学したが、担任のバルドゥイン・スルツァーに音楽の才能を認められ、学校のオーケストラを指揮する経験を積んだ。また作曲とヴァイオリンを学び、当初はヴァイオリン奏者として将来を考えていたが、1978年に交通事故に遭って椎骨を骨折する重傷を負ったことでヴァイオリン奏者としての活動を諦め、指揮者としての活動を模索することとなった。1979年には、才能を認めたリヒテンシュタインのベニヒゼン男爵アンドレアスがパトロンとなり、のちに養子縁組をしており、1992年にアンドレアスの妻であったアンジェリカと結婚している。1982年から1985年までオーストリア青年管弦楽団を指揮。1986年にはクラウス・テンシュテットの代役としてロンドン・フィルハーモニー管弦楽団に登場してデビュー。1986年から1991年までノールショピング交響楽団の首席指揮者を務め、1987年にはウィーン国立歌劇場でクラウディオ・アバドの助手を務めた。1989年にはセントルイス交響楽団を振ってアメリカに初登場している。1990年から1996年までロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、1995年から2008年までチューリヒ歌劇場の音楽監督を歴任。2002年からクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務める。2010年からウィーン国立歌劇場の音楽監督を兼務したが、任期途中の2014年に辞任した。