指揮者

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指揮者(しきしゃ、英:Conductor、独:Dirigent)は管弦楽、合唱、オペラなどの大人数のオーケストラ・合唱団を1人で操り、音楽をつくり上げるリーダーである。数人から数百人の演奏者を束ねるため、ジェスチャにより、連続的にパフォーマンスを行う。指揮者の役割は、曲のテンポを決め、音節ごとにフレージングや音の強弱を示し、作曲者の意図、曲の解釈を楽団に伝える。指揮棒を「バトン」あるいは「タクト」という。

歴史[編集]

バロック音楽時代の指揮は、主に曲のテンポを維持する役割であった。その頃は、杖(指揮杖)を地面に打ち、その音でテンポをとりて指揮を執った。

バッハ、ハイドン、モーツァルトなど古典派時代でも、コンサートマスターあるいは楽長が、開始の合図やテンポ、強弱の指示を出していた。演奏の合間に指示を出す、いわばプレイイングマネージャであった[1]

19世紀になると、演奏される曲が多様化し、複雑になり、規模が大きくなるとともに専門の指揮者が必要とされるようになった。

曲の解釈を個々の演奏者に任せていては演奏の基本方針に統一感が生まれなくなる。 初期にはルイ・シュポーアカール・マリア・フォン・ウェーバールイ・ジュリアンフェリックス・メンデルスゾーンなどの作曲者が指揮者を兼任していた。指揮棒を振って指揮するスタイルはルイ・シュポーアカール・マリア・フォン・ウェーバーが始めたとされる。

専門職としての指揮者が登場したのは、その後である。ハンス・フォン・ビューローは1882年創立されたたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者となり、専業指揮者の確立に貢献した。


参考文献・注釈[編集]

  1. ハロルド・C.ショーンバーグ 、中村洪介訳(1980)『偉大な指揮者たち―指揮の歴史と系譜』音楽之友社