フォン・ブラウン市
フォン・ブラウン市(フォン・ブラウンし、VON BRAUN CITY)は、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』のうち、宇宙世紀を舞台とする作品に登場する架空の月面都市。単にフォン・ブラウン、またはフォン・ブラウン・シティ、時代背景によってはフォン・ブラウン・ヴィレッジ、フォン・シティとも呼ばれる。
概要[編集]
月赤道部の東経23.5度付近のクレーターに建造された、月面最初の恒久都市と設定されている。作中において「アームストロング船長の足跡」とも形容されるように、史実上においてアメリカの有人月探査宇宙船アポロ11号の船長であるニール・アームストロングが人類として初めて月に降り立った場所であり[1]、市街地にはアームストロング船長の名を冠した公園も設けられている[2]。都市名は、アポロ11号の打ち上げに使用されたサターンV型ロケットに代表される、数々のロケット開発に大きく貢献した実在の人物であるヴェルナー・フォン・ブラウンにちなむ。
スペースコロニー建造に必要な資源を採掘する基地として設けられ、基地に付随するマスドライバーを用いてサイド1、サイド2をはじめ、サイド3以外のほとんどのコロニー建造に資源を供給した。基地近傍に月面最初の恒久都市が建造され、宇宙世紀0027年にはフォン・ブラウンの名前を冠して完成した。地球との定期便が運行しており、月面都市の中では最初に市政が布かれる。その後、月の裏側にあるサイド3へ資源を供給するために別途グラナダ基地が造られ、同基地はグラナダ市となる。
コロニー建設ラッシュと、宇宙移民者の増大にともなって繁栄する。都市の規模も拡大し、クレーター底面に建造された最初の市街の上に積み重なるように拡張されていく。下層のほうでは天井に照明を配し、内部を照らしている。月面で最大規模を持つ中心都市であり、人口は約5千万人[3]、経済的には豊かで、犯罪発生率は低く治安は非常に良い。グリプス戦役中には、アポロ作戦の標的としてティターンズに襲撃され、占拠されていた時期もある[2]。
また、アナハイム・エレクトロニクスのフォン・ブラウン工場が存在し、数多くのモビルスーツがここで開発・製造されている。デラーズ紛争中にアルビオンが寄港し、大破したガンダム試作1号機を当地で修復・換装した[4]ほか、第二次ネオ・ジオン抗争時にはνガンダムがここから発進し、ロンド・ベル隊と合流している[5]。
その後、ザンスカール戦争当時には連邦の政府機能が地球からフォン・ブラウン市に移動しており、連邦首都となった(設定のみ)。作中でもロベルト・ゴメス大尉が連邦政府の事を「月の中央政府」と呼ぶ場面がある。
なお、宇宙世紀初頭を舞台とした富野由悠季の小説『アベニールをさがして』[6]ではフォン・ブラウン・ヴィレッジの名で、宇宙世紀から約1万年後の未来を描いたアニメ『∀ガンダム』ではフォン・シティの名で登場する。
脚注[編集]
- ↑ 『機動戦士Ζガンダム』第23話、トーレスの発言より。同話の最後には、史実と同様、1969年に到達したとのナレーションが入る。
- ↑ a b 『機動戦士Ζガンダム』、第23話-第24話より。
- ↑ 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』 皆川ゆか、サンライズ、講談社、2001年。ISBN 978-4-06-330110-6。
- ↑ OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』、第6話-第7話より。
- ↑ 映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』より。
- ↑ 『アベニールをさがして』 富野由悠季、ソノラマ文庫、朝日ソノラマ、1995年。ISBN 978-4-25-776726-8。