ピリオド楽器
ピリオド楽器(ぴりおどがっき,period instruments)とは、楽曲が作曲された当時に使われていた楽器である。「時代楽器」、「オリジナル楽器 original instruments」「古楽器(こがっき)」ともいう。特に 1800年代以前に作られた楽器を「オールド楽器」という。
古楽器コレクション[編集]
使用楽器はリコーダー、チェンバロ(現代はピアノ)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(現代はチェロ)、リュート(現代はギター)、フラウト・トラヴェルソ(現代はフルート)、マンドール、キタローネ、テオルボなどがある。上野学園大学に古楽器コレクションがある[1]。 オーストリア・ウイーンのエフェソス博物館(Ephesos Museum)には古楽器コレクションの部門がある[2]。 バロック時代の楽器については、「カメラータ・ムジカーレ バロック時代の楽器について」にリコーダー、フラウト・トラヴェルソの説明がある[3]。アイオワ州立大学の中世とルネサンスの楽器紹介も参考になる[4]。
これに対して現在使われている楽器を「モダン楽器」(現代楽器, modern instrument)という。現代の大規模なオーケストラの多くは「モダン楽器」を使用している。
ピリオド楽器は音量が小さい場合が多いが、モダン楽器では出せない豊かな響きや微妙なニュアンスを出すことができる。欠点として、音量が小さいこと、音域の問題、音が狂いやすく調律を頻繁に行う必要があったことがある。改良の余地が少ないため、使われなくなってしまった。
ピリオド楽器のピッチ[編集]
バロック音楽の演奏には「A=415、392、440、466(ヘルツ)」が使われる。基準音「415Hz」はバロック・ピッチあるいはカンマートーンと言われ、現代の「a'=442」に比べると半音低くなる。さらに半音低い「a'=392Hz」を使うヴェルサイユ・ピッチ、全音高い「a'=466Hz」のヴェネツィアン・ピッチ(コーアトーン)も使われていた。当時は、「ピッチを正確にする」習慣はなかったのである。同じ時期に同じ都市の演奏会で複数の異なるピッチが使われた例もあった。おおむね、その地にある教会のパイプオルガンのピッチを基準としていた例が多いと言われる[5]。
古楽器を使用する演奏団体[編集]
コレギウム・アウレウムは古楽器オーケストラの草分けである。その後、アーノンクール、レオンハルト、ブリュッヘン、ホグウッド、ノリントン、コープマン、ガーディナーなどがピリオド楽器のオーケストラを編成している。日本ではバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)、オーケストラ・リベラ・クラシカ、日本テレマン協会が、ピリオド楽器を使用している。
コンクール[編集]
2018年には、ショパン国際ピリオド楽器コンクールが行われた。 国際古楽コンクールは山梨で開催されている。2018年4月28日(土)には第31回国際古楽コンクール〈山梨〉が開催された[6]。第32回国際古楽コンクール〈山梨〉は2019年4月26日(金)、27日(土)、28日(日)に開催される。
参考文献・注釈[編集]
- ↑ 古楽器コレクション上野学園大学
- ↑ Ephesos Museum
- ↑ カメラータ・ムジカーレ バロック時代の楽器について
- ↑ Musica Antiqua Instruments ,Iowa State University
- ↑ チューニングピッチの変遷ムジカアンティカ湘南,2010年10月21日
- ↑ スケジュール