パトロクルス

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小惑星パトロクルス(617 Patroclus)は、木星のトロヤ群小惑星で、木星の後方60゜の位置にある"トロヤ群"側の天体である。

1906年にドイツの天文学者アウグスト・コプフ(August Kopff)によりハイデルベルクで発見され、ギリシア神話の英雄パトロクロス(Patrklos)にちなんで命名されたが、小惑星の名前自体は、ギリシャ語形の"Patroklos"ではなく、ラテン語形の"Patroclus"であるため、小惑星名としてはラテン語読みの「パトロクルス」である。

パトロクルスは、ギリシャ軍のメンバーだが、L4にはギリシャ軍、L5にはトロヤ軍の名前をつけるというルールが確立される前に命名されたため、(624)ヘクトル(Hektor)とは逆の"スパイ小惑星"となっている。

2001年にマーリンら(W. J. Merline et al.)によって、トロヤ群小惑星として初めて衛星を持つことが発見され(IAUC 7741)、パトロクロスの父メノイティオス(Menoitios)にちなんで、ラテン語形でメノエティウス(Menoetius)と命名された。本体とほぼ同じ大きさの衛星を持つ、いわば二重小惑星と呼ぶべき天体であることで知られる。

パトロクルスは、NASAの木星トロヤ群小惑星探査ミッション「ルーシー」計画において、探査候補として挙げられている。

命名文[編集]

Named for the Greek hero and friend of Achilles slain by Hektor (see also planets (588) and (624)) at Trojan war. Name suggested by J. Palisa.

軌道要素[編集]

元期 = 2023年9月13日 (JD 2460200.5)

軌道長半径 = 5.20810 天文単位

近日点距離 = 4.479515 天文単位

遠日点距離 = 5.936620 天文単位

離心率 = 0.1398820

公転周期 = 11.886 年

軌道傾斜角 = 22.062336 度

昇交点黄経 = 44.359070 度

近日点引数 = 308.405518 度

平均近点角 = 336.01104 度

直径 = 140 km

絶対等級 = 8027

アルベド = 0.047

出典[編集]