バオ・ロン

バオ・ロン（Bảo Long/保隆、1936年1月4日 - 2007年7月28日、阮福保隆）は、阮朝のバオ=ダイ帝の時期とベトナム帝国の皇族・政治家で、元皇太子。バオ=ダイの嫡男。父の死後、阮氏当主を継承していた。

生涯

1936年、保大帝と南芳皇后（英語版）（ナム・フォン皇后）を両親として、順化皇城の建中殿で生まれた。 1939年に伝統の儒教に則った儀式を受け立太子された。バオ=ダイが香港に亡命すると、翌年1947年に皇太子も母皇后、兄弟達と共にフランスに渡り、カンヌ郊外のソレンツ城（バオ=ダイも留学時住居とした）に住んだ。ノルマンディーの私立学校で教育を受け、カトリック教徒となった。その後パリ政治学院で君主としての資質を身につけるため、法学と政治学を学んだ。 1953年にはベトナム皇族の代表としてエリザベス女王の戴冠式に出席。さらに1954年には旧保護国ベトナムの皇太子としてフランス軍の外人部隊に従軍し、アルジェリアでの戦闘で活躍。三つ星とクロワ・ド・ゲール勲章、国家功労大十字章（Grand-Croix de l'Ordre National du Mérite）、二項金磬(Nhị hạng Kim Khánh）、カンボジア王室大十字章（Ordre royal du Cambodge）、ラオス百万象白傘勲章を授与された。10年間の従軍職務の中で1955年に父バオ=ダイが本国で廃帝され、自身も廃太子となり父をカンヌに迎えた。除隊後は銀行で勤務した。1997年に父が死去すると当主を継承し、親族のバオ・バンと共に歴史保存・文化・教育活動を行っていた。2007年死去。享年71歳。未婚で子がなく弟のバオ・タンが当主を継承した。