トランジスタ
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トランジスタとは電子部品の一種。 増幅したりスイッチングしたりできる素子。
種類[編集]
トランジスタには、N型半導体とP型半導体の接合方法により、様々な種類が存在する。
バイポーラトランジスタ
電界効果トランジスタ(FET)
- FETは、フィールド(界つまり電界)・エフェクト(効果)・トランジスタに由来する。別名ユニポーラトランジスタともいう。ユニポーラとは、1種(ユニ)の電子あるいは正孔をキャリア(ポーラ)として使うことによる。
- バイポーラトランジスタは電流で制御する電流制御素子であるが、FETは電圧でON/OFFを制御する電圧制御型素子である。
- FETには大きく分けてJFETとMOSFETに分別される。
- MOSはメタル(金属)・オキサイド(酸化物)・セミコンダクター(半導体)に由来する。MOSFETには組み合わせによって、NチャネルMOSFET PチャネルMOSFETに分かれる。またこの中でもしきい値電圧によって、エンハンスメント型とディプレッション型に区別される。非常にややこしい。 ちなみに一般的に使われるのはNチャネルMOSFETのエンハンスメント型。電子と正孔の移動度の違いによってN型とP型で違うので特殊な用途ではP型も使う。また同様に、使いたいしきい値電圧によってディプレッション型も使う。
- 少し前だと、小電力にはMOSFET 大電力にはIGBTなどが一般的であったが、SiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)などが登場してから変わった。
- E235系とかSiC VVVFインバータらしい。
- GaN(窒化ガリウム)を使用したFETも登場しているが、動作周波数がとても高く、小電力なものに使われているイメージ(5G基地局とかACアダプタとか)
- 少し前だと、小電力にはMOSFET 大電力にはIGBTなどが一般的であったが、SiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)などが登場してから変わった。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)
- バイポーラトランジスタなんだけど、電圧制御できる素子。MOSにバイポーラの要素を加えた構造である。IGBTとは、インスレーテッド(絶縁)・ゲート・バイポーラ・トランジスタに由来する。
- NPNPのような形(サイリスタのような構造)であり、サイリスタではゲート電圧でONはできてもOFFにできない(自己消弧能力を持たない素子)特性を持っているのだが、IGBTは、ゲート電圧を0またはマイナスにすることによりOFFにできる。(自己消弧能力を持っている)
- ゲートターンオフサイリスタ(GTO)も同じような特性を持っていたが、回路が複雑になる、スイッチング周波数が低くうるさい、消費電力や発熱が大きいなどのデメリットが多いため、IGBTに変わりつつある。
- MOSFETよりも大きい電力を扱う場合に使われるイメージがある。(電車とか)
- E231系とかE233系はIGBT VVVFインバータらしい。
バイポーラトランジスタの使い方や特徴[編集]
ここでは、バイポーラトランジスタの使い方や特徴について書く。 またここからは、バイポーラトランジスタのことをトランジスタと略す。
特徴
増幅作用
- トランジスタは電流により、増幅したりできる。
- ベース-エミッタに電流が流れると、コレクタ-エミッタ間に大きな電流が流れる。
- トランジスタには、製品ごとに直流電流増幅率(hFE)という値があり、ベースに流れた電流✕hFE=コレクタに流れる電流になる。
- つまりベース電流とコレクタ電流は比例するということ。
- オーディオアンプなどには、この増幅作用が使われている。
スイッチング作用
- ベース電流を流すと、コレクタにより大きな電流が流れる特性を使ったもの。
- 増幅作用では、比例ではなく飽和する領域(それだけでかい電流を流すということ)で使う場合が多い。
- ON/OFFを制御できることから、スイッチやリレーなどの代替ができる。
- ANDやORなどの論理回路はこの作用を利用している。
- つまりトランジスタを大量に用意すれば、PCやスマホも作れるかも?
- 実際、ICの中にはFETが大量に入っていて、その中に論理回路が構成されている。
- つまりトランジスタを大量に用意すれば、PCやスマホも作れるかも?
MOSFETの使い方や特徴[編集]
ここでは、MOSFETの使い方や特徴について書く。
特徴
- ソース・ドレイン・ゲートの3端子があり、それぞれバイポーラのエミッタ・コレクタ・ベースに似ている。
- バックゲートを加えて4端子として考えることもあるが、バックゲートをソースと一体化する設計もある。
バイポーラとの相違点
型番[編集]
1993年までは、JIS C 7012:1982により型番のルールが付けられていた。
- 2SAxxxx PNP型バイポーラトランジスタ 高周波用 (例:2SA1015)
- 2SBxxxx PNP型バイポーラトランジスタ 低周波用 (例:2SB1115)
- 2SCxxxx NPN型バイポーラトランジスタ 高周波用 (例:2SC1815)
- 2SDxxxx NPN型バイポーラトランジスタ 低周波用 (例:2SD1615)
- 2SFxxxx サイリスタ (例:2SF248)
- 2SHxxxx ユニジャンクショントランジスタ
- 2SJxxxx PチャネルFET (例:2SJ447)
- 2SKxxxx NチャネルFET (例:2SK2231)
ちなみに、先頭の数字は端子の数を表していて、トランジスタだと足は3本なので、3本 - 1 で2となる。
- 2本足タイプのダイオードとかだと1Sxxxxとかになる。(例:1S1588)
この型番は、どこからどこまでが高周波なのか、低周波なのかが定義されていないため、あやふやなものではあった。
- みんな大好き2SC1815だと、型番的には高周波用となっているが、TOSHIBAのデータシートでは低周波電圧増幅用になっていた。