タワー管制

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

タワー管制とは、航空管制業務の区分のひとつで、飛行場(空港)周辺を管理する飛行場管制のうち、主に滑走路での離着陸指示を担うところ。飛行場の名称や地名を付け、〇〇タワー(〇〇TWR)と呼ばれる。東京国際空港(羽田)であれば東京タワー。

危険防止のため、見晴らしの良い管制塔最上部のガラス張りの管制室に置かれることが多い。

地上・上空双方からの滑走路への進入は、このタワー管制から許可を得ることとなる。移動のため滑走路を横断する場合も基本的にタワー管制が許可を出すが、場合により調整の上地上移動を管理するグランド管制から許可が出ることもある。

離陸時は駐機場・スポットからグランド管制に誘導され、滑走路端まで走行、タワー管制に移管され、離陸許可が出ることとなる。ただし、戦闘機のスクランブル発進など特殊な場合は、デリバリークリアランス管制やグランド管制を省き直接タワー管制へ開局することもある。離陸後はディパーチャー管制へと移管される。

着陸時は、上空の航空路から飛行場へと誘導され、アプローチ管制により着陸順位を調整のうえタワー管制に移管される。着陸に危険があると判断された場合は着陸復行(ゴー・アラウンド)を指示または判断し、着陸を中止し再上昇した上でディパーチャー管制に移管される(たぶん)。

なお、航空管制において離陸(take-off)という語が使われるのは、このタワー管制における離陸許可のみ。雑音等により離陸の許可と不許可や異なる指示を取り違え事故に繋がらないようにするためで、他の場合は出発(departure)と言い換えられる(離陸後の指示はafter departureに続ける)。

離着陸をコントロールする以上、一歩間違えれば事故に繋がりやすい。同一の滑走路で同時に離着陸を行おうとするのは典型的なタワー管制業務のミスによるもので、大事故につながる。交信の不徹底によって引き起こされたテネリフェ空港におけるジャンボ機同士の滑走路での衝突事故は580人を超える死者を出し、航空機事故で(同時多発テロ事件を除けば)最悪の数値となっている。

事故対策として、前述のように用語の制限、管制室の配置などが挙げられるが、濃霧などでは滑走路を見渡せなかったり(濃霧では航空機同士も互いを視認できず事故になりやすい)、判断ミスなどで誤った指示を出してしまう事もあるため、レーダーの配置やストリップ(運航票、Flight Progress Strip)による航空機位置の確認、タワー管制を担当する航空管制官と補佐する調整席での連携が必要である。