ゼロ免課程
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ゼロ免課程(ぜろめんかてい)とは、国立大学教育学部に設置された教育課程。
概要[編集]
戦後の学制改革で旧制の官立師範学校や青年師範学校は国立総合大学の学芸学部や教育学部に再編され、表向きは教員養成と無関係とされた。
1960年代半ばから教員の資質向上に対するニーズが高まると、学芸学部はさらに再編を迫られて教育学部の教員養成課程となり、教員免許取得が卒業要件となった。
ところが、1980年代後半になると、公立学校の教員採用数が減少に転じ、教員養成課程に入っても一般企業等への新卒就職が欠かせない状況となった。加えて、地場企業からも人材供給のニーズが高まり設置されたのが、教員免許取得を卒業要件としない本課程である。
ゼロ免課程は、採用事情が好転すれば元に戻す前提で、独立学部、学科とはしなかった。
ゼロ免課程は、従来、人文理学系を希望しても住地の近所になかったり、偏差値的にマッチングした大学の無かったところで、新たな受験生人気を得て、横浜国立大学のゼロ免課程のように人気課程となったところもあった。
2010年半ばになると、今度は教員採用数が増えて、教員養成課程増員のニーズが高まり、大半の国立大学でゼロ免課程を抜き打ち的に廃止し、教員養成課程の定員を増員した。
こうして、ゼロ免課程は浮き沈みの歴史を辿ったが、昨今の教員採用試験の倍率低下に見られる教員就職敬遠もあり、ゼロ免課程の完全消滅は妥当だったのか問われる状況にもなっている。