ジャン・スタロバンスキー
ジャン・スタロビンスキー(じゃん・すたろびんすき、英:Jean Starobinski、1920年11月17日 - 2019年3月4日[1])は、スイスの哲学者・文芸批評家・ジュネーヴ大学名誉教授である。『自由の創出』の翻訳者・小池嘉幸が「スタロビンスキーが正しい」と書いたが、のち小西は誤りを認めており、スタロバンスキーが正しい。
概要[編集]
1920年11月17日、スイスのジュネーブで生まれる。ジュネーブ大学で古典文学と医学を学ぶ。文学博士[2]と医学博士を得る。ジョンホプキンス大学、バーゼル大学、ジェノバ大学で医学史と思想史[3]を教える。現象学派あるいは実存学派的な文学批評は、ジェノバ学派と言われる。
ジュネーブ大学ではモンテスキュー、ルソー、ボルテール、ディドロなど18世紀フランス文学、思想を研究し、講じ、記念碑的な研究となった。
スタロビンスキーの医学と精神神経科の知識は、メランコリアの歴史研究につながった。 科学モラルと政策学会のメンバーである。多くの大学で名誉博士号を得ている。
ルソー研究[編集]
ジュネーヴ大学文学部はフランス十八世紀研究の一つの大きな拠点となっており、とりわけ、著名なルソー研究家であるスタロビンスキー、 ポーランド出身のフランス革命研究家のバチコが研究を牽引している。ジュネーヴ大学の「十八世紀研究グループ」の成果として、『十八世紀の恐怖』が刊行されている[4]。スタロビンスキーは「恐怖に打ち克つ」を執筆している。本書は啓蒙期の知的文化に潜む恐怖の諸相を、聖書画像・刑罰制度・独裁政治・人食いネズミ・性的不能・小説のヒロイン・ベドウィン神話・アジアコレラから読み取っている。
書評[編集]
ニューヨークレビューに『ルソーと革命』『ジャン・ジャックルソーからの手紙』その他の書評が掲載されている[5]。
日本では『ルソー 透明と障害』『ソシュールのアナグラム―語の下に潜む語』『モンテスキュー―その生涯と思想』『モンテーニュは動く』『自由の創出―十八世紀の芸術と思想』[6]『オペラ、魅惑する女たち』など多数が翻訳されている。