ジャンボジェット

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ブリティッシュ・エアウェイズのボーイング747-400

ジャンボ・ジェット(Jumbo Jet)とは、乗客定員が概ね400人以上の、大型・超大型のジェット旅客機等に対して与えられる呼称である[1]。「ジャンボ機」「ジャンボジェット機」などとも呼ばれる。

世界では一般的に「ボーイング747」の愛称および通称として定着しているが[2]、より広義にはその他の用法でも使用されるケースが稀にある(後述)[3]。ただし、いずれにしてもこの語に関して厳密な定義があるわけではない。

大型のジェット輸送機[編集]

1960年代後半になると、航空輸送需要は急激な増大を見せた。その一方で、世界では航空機数の増加により、主要空港の混雑等の問題が発生するようになった[4]。このような問題を解決しようと、従来の輸送機よりも搭載客量をおよそ2~3倍に拡大する大型機および超大型機の開発が目指された[4]。こうした大型機の開発により、航空輸送の経済性向上、大幅な貨客運賃の切下げ等が実現することも期待された[1][5]。客室内に通路を複数設けた「ワイドボディ機」として、世界で最初に開発された大型機がボーイング747であった(1969年に初飛行)。

名称の由来[編集]

ボーイング747の就航以降、「ジャンボジェット」という呼称は、ほとんどの場合この機種を指す愛称・通称として世界的に定着した(広義の「ジャンボジェット」は、747のようなワイドボディ機一般を指して言う場合もあるが[1]、その中でも最初に就航したのが747なのと、後述のA380登場までは747が一部二階建の世界最大の旅客機であったため、その代名詞になったとされる。)が、この呼称は、実在する著名なアフリカ象ジャンボの名前に由来するもの。これこそが 「巨大」を意味する言葉「ジャンボ[6]」の語源であり、大型輸送機に対する愛称もその一例である。

エアバスA380の就航[編集]

2007年になると、 世界初の総2階建旅客機となる「エアバスA380」が運航を開始するに至った[7]。A380は747を更に上回る大きさとなり、旅客機としては世界最大の超大型機となったことなどから、 「スーパージャンボ」と呼ばれることもある[7][8][9]

消え去るジャンボジェット機[編集]

かつては世界中の空で活躍を見せていたジャンボ機。しかし現在では、経済性などの複数の問題から、ボーイング747もエアバスA380も生産終了を迎えたことで、民間機におけるジャンボ機の時代は終わりが近いといえる[10]

民間機以外[編集]

民間機以外において、ジャンボジェット級の大きさを持つ輸送機として、アメリカ空軍C-5などがある[3]。C-5は、 開発当時世界最大の輸送機であった。さらに特筆すべきは、このような大型の貨物機をベースに、747などの民間機におけるジャンボ機が実現するに至ったことである。

脚注[編集]

  1. a b c ジャンボジェット』 - コトバンク
  2. 「ジャンボジェット」ボーイング747型機が生産終了へ:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2021年10月13日確認。
  3. a b 佐貫亦男『ジャンボ・ジェットはどう飛ぶか』より
  4. a b ジャンボ・ジェット』 - コトバンク
  5. エアバスA380』 - コトバンク
  6. デジタル大辞泉「ジャンボ」
  7. a b Zhang, Benjamin (2017年12月3日). “エアバスA380、なぜ10年で旅客機のステータスシンボルから凋落したのか” (日本語). www.businessinsider.jp. 2021年10月13日確認。
  8. Zhang, Benjamin (2018年9月22日). “1機500億円、世界最大&最も高価な旅客機エティハド航空のA380に乗ってみた” (日本語). www.businessinsider.jp. 2021年10月13日確認。
  9. 生産終了のエアバスA380、最終製造機が初飛行を実施 南仏を離陸” (日本語). CNN.co.jp. 2021年10月13日確認。
  10. ジャンボ機が消滅へ、ぜいたくな空の旅の象徴”. 2021年11月2日確認。

関連項目[編集]