ジャズ・エイジ

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ジャズ・エイジ(じゃずえいじ、英:Jazz Age)はアメリカ合衆国の1920年代の世相を表す言葉。F・スコット・フィッツジェラルドの短編集『ジャズ・エイジの物語』(1922年)から名付けられた。

背景[編集]

狂騒の20年代と言われる第一次世界大戦の終結後から1929年の大恐慌まで米国は空前の繁栄を謳歌したが、労働者・黒人の大半・農民はその恩恵を受けなかった。1920年代はまだジャズが確立されていなかったが、大衆娯楽は主にスポーツや映画等が中心であった。消費は悪徳から美徳になり、女性風俗も変化し、短い髪、パーマネントの発明、短いスカート、化粧、煙草をくわえ大胆なファッションを身に着けた新しいタイプの女性「フラッパー」が登場した。女性の参政権が認められるようになった。[1]。帰還兵による消費の拡張などもあり「永遠の繁栄」とまで呼ばれる経済的栄光を実現した。

ラジオなど新製品、新技術が登場し、ラジオの黄金時代を迎える。フォード生産システムのような大量生産を背景にしてモータリゼーションが始まり、自動車工業が躍進し、大量消費社会が出現し、禁欲的なピューリタニズムの価値観が崩されるようになる[2]。農業を除いてほとんどの産業分野が発展した時期である。娯楽やマスメディアの発達により大衆社会が形成された。

富の象徴のようなエンパイア・ステート・ビルディングは1929年の着工であり、まさしくジャズ・エイジの産物ともいえる。

1920年代のアメリカで一世を風靡したジャズエイジを代表するダンスがチャールストンである。パーティ、酒、ダンスがこの時代で浮かれる姿でもあった。

一方では、第一次世界大戦後には排外的な人種主義(100%アメリカニズム)、禁酒法施行、ギャングの台頭など暗い側面もあった[3]

参考文献・注釈[編集]

  1. 山右山太次郎(1982)『アメリカ文学に描かれた都市』主流、pp.196-219,
  2. 東雄一郎(1980)『ジャズ・エイジとハート・クレイン』駒澤大學文學部研究紀要 48, pp.A17-A82
  3. 兼定和憲(1983)『フィッツジェラルド研究 : ジャズ・エイジと彼の文学<』福井工業大学研究紀要 13, pp.105-111