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ジェンダーに関する科学的問題

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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本記事では、ジェンダーに関する科学的問題について取り扱う。

概要[編集]

ジェンダー(社会的・心理的な意味での性別)について、現代の科学(ここでいう科学は、自然科学の他に社会科学・人文科学等を含む最広義のもの)においては未解明の部分が多い。それにも関わらず、イデオロギーが先行することによって議論自体がタブー視されることで実態の解明が停滞し、社会問題の解決が滞るという問題がある。

事例[編集]

  • 男女の脳の違いについての問題。男女の脳の生まれつきの違いについては様々な俗説がある一方で、「男女の脳には生まれつきの違いは全くない」というイデオロギーがあり、科学的研究を阻害している[1]
    • IQの平均には男女差がないとされるが、実は男性の方が高い傾向にあることが指摘されている。
    • チェス・囲碁・将棋などにおける男女の成績の差を後天的なものだけで説明することは困難である。
    • アメリカの政治家・経済学者のローレンス・サマーズ[2]は、「科学や工学への関心や能力のばらつきは女性よりも男性の方が大きい」という旨の発言によって、ハーバード大学学長の座を追われた。心理学者のスティーブン・ピンカーはこの発言を擁護している。
    • 脳のタンパク質の発現に性差があるという研究がある[3]
  • 性的指向の先天性・後天性について。
  • トランスジェンダリズムについての問題。
  • 男女の身体能力の差について。
    • 「スポーツが男女別なのは身体的な男性優位という神話の維持・再生産のため」という発言はさすがに失笑を買った[4]。しかしこの種の議論が大真面目に公費で行われているのが現代のジェンダー学である。
  • 歴史上の性役割分担についての問題。
    • 「家父長制」の陰謀は存在するか。多数派のフェミニズムのイデオロギーでは男性が女性を抑圧し搾取してきたことになっている(家父長制)が、この見方には根拠が乏しい。社会心理学者のロイ・F・バウマイスター[5]は、社会的性差は生物学的な適応によって説明できるとしている。
    • 人類史上、女性も狩猟に多く参加していたか[6]。「人類史上女性も多く狩猟に参加していた」という意見はイデオロギー上好ましいものとされて受け入れられがちであるが、疑わしい研究が多い。
    • マーガレット・ミード[7]は『Sex and Temperament in Three Primitive Societies』において、パプアニューギニアのチャンブリ族は(アメリカとは逆に)男性が着飾り女性が働くとし、ウーマンリブ運動の拠り所となった。しかし後にこれは事実に基づいていないことが明らかになっている。
      • マーガレット・ミードの『サモアの思春期』に対して、デレク・フリーマンによる批判(『マーガレット・ミードとサモア』)がある。
    • 歴史上の女性セックスワーカーの地位の問題。
      • 歴史上、セックスワーカーの境遇は悲惨なものとして語られがちであるが、こうした言説は実態との間には隔たりが大きい[8]
      • 「吉原の遊女の平均寿命は22.7歳だった」という言説がセンセーショナルに繰り返される[9]が、遊女は20代で引退するのだから平均寿命が20代なのは当然である[10]。出所となった小谷野敦は撤回して訂正しているにも関わらずである[11][12]
  • 賃金格差についての問題[13]
    • ノーベル賞受賞者のクラウディア・ゴールディン[14]は、男女の賃金格差の原因の一つとして、男か女かで「貪欲な仕事」への従事率に差があることを指摘している。
  • 「レイプカルチャー」というイデオロギーの問題[15]
    • 「ポルノグラフィーが性犯罪を助長する」という見解はフェミニズムのイデオロギーとして出回っているが、2022年のメタ分析論文[16]では、非暴力的なポルノが性的攻撃性と関連していることを示す証拠はないこと、暴力的なポルノには性的攻撃性と弱い相関があるが因果関係は不明であること、ポルノグラフィーの入手しやすさが性的攻撃性の減少と相関があることが示されている。
  • 「日本人女性の声がアメリカ人女性より高いのは日本が女性差別的だからだ」という俗説[17]

脚注[編集]

  1. 男女の脳や発達に違いはあるのか?|rei
  2. jawp:ローレンス・サマーズ
  3. Wingo, A.P., Liu, Y., Gerasimov, E.S. et al. Sex differences in brain protein expression and disease. Nat Med 29, 2224–2232 (2023). https://doi.org/10.1038/s41591-023-02509-y
  4. 【フェミ界隈の常識】ジェンダー学者様「スポーツが男女別なのは、男が女に負けるのが怖いから!」: フェミ松速報!
  5. Roy Baumeister - Wikipedia
  6. ダメ研究 - 祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
  7. jawp:マーガレット・ミード
  8. 度会好一『ヴィクトリア朝の性と結婚』中央公論新社、1997年。pp. 176-
  9. 「投げ込み寺」に葬られた遊女 「平均寿命22.7歳」の地獄… 体を売って稼いでも「天引き」され、医者にもかかれなかった吉原遊女の「悲惨な末路」(歴史人) - Yahoo!ニュース
  10. 「鬼滅の刃」新作予定で話題の遊郭、『遊女の平均寿命22歳』は統計のトリック?~その落とし穴 - posfie
  11. 小谷野敦🦖アンチTRA...
  12. 小谷野敦『日本売春史』新潮社、2007年
  13. There Is No Gender Wage Gap | 5 Minute Video - YouTube
  14. jawp:クラウディア・ゴールディン
  15. 「性犯罪の原因は男尊女卑」というフェミニズム・イデオロギーについて|小山(狂)
  16. Ferguson CJ, Hartley RD. Pornography and Sexual Aggression: Can Meta-Analysis Find a Link? Trauma Violence Abuse. 2022 Jan;23(1):278-287. doi: 10.1177/1524838020942754. Epub 2020 Jul 21. PMID: 32691692.
  17. 日本人女性の声はなぜ高いのか|りべます

関連項目[編集]