シャブコン
シャブコンとは、水を多めに入れたコンクリートのことである。しゃぶコンとも。
概要[編集]
「シャブ」は水気が多いことを表す言葉で、「コン」はコンクリートの略称である。
これは土建屋による画期的な発明である。通常の生コンに水を加えると型枠に流し込むのが容易になるばかりか、量が増えコストも下がるのである。オマケに軽量なコンクリートができるのである。しかも、見た目は普通のコンクリートと変わらないのである。
問題点[編集]
シャブコンは強度に問題があるので、建物の耐用年数が下がる。酷いのになると最初からヒビが入っていたりする。
シャブコンの作り方[編集]
コンクリートミキサー車が到着したら、ミキサー車の洗浄用のホースで水を入れさせ、混ざるまでミキサーを回したままで待つ。
シャブコンを作れるのは怖い現場監督だけである。「水を入れろ」と言ってもミキサー車を運転してきた建材屋や、職人たちが「それはマズイですよ」なんて誰一人、言い出せないくらい怖い現場監督でなければならない。
「監督ぅ。水、入れすぎですよ」なんて言おうものなら、どういう目に遭うかお察しください。
シャブコンを作るときどれくらい水を入れたら良いかは長年のカンが頼りである。特に、潰れそうな建材屋から買った生コンは、最初から少々水増しされている可能性があるので、建材屋の経営状態や経営者が真面目か不真面目かまで考えて加える水の量を加減しなければならない。
建材屋が作ったシャブコンを、現場監督が更に水増ししたダブルシャブコンは後で問題を起こす可能性が非常に高い。
上手にシャブコンを作る方法[編集]
ミキサー車が到着したら、すぐには水を入れず、型枠に少しだけ流し込む。そのときの生コンの固さから入れる水の量を判断するのである。
入れすぎた水は元に戻せないので、様子を見ながら少しずつ入れるのがベストである。
だが、過度に水を加えてしまうと、セメントが水を吸収しきれなくなり、水が分離して流し込んだ生コンの表面に浮いてきて水溜まり状になるので、水増しによってコンクリートがきりもなく強度低下を起こすわけでもない。
その他[編集]
姉歯建築士を弁護するわけではないが、姉歯事件の背後には「どうせ現場はシャブコンを使うに決まっているのだから、設計上の耐震強度なんて意味がない」という姉歯建築士の悲痛な思いがあったに違いない。だが、現場がシャブコンを使うことを想定して耐震強度を高めに設計するのがプロの仕事であろう。