ゲームブック
1[編集]
ゲームブックについて調べていた君は、ついにこの項目にたどり着いた。君はこのまま読み進めてもいいし、ブラウザーバックしてグーグルで別のページに行ってもいい。それでも先に進むならば……さあ、ページをめくりたまえ、と言いたいところだが、あいにくWebメディアにページの概念はない。
2へ進め。
2[編集]
君は何を調べたいだろうか?
すべて見終えたら、9へ進め。
3[編集]
おやおや、君はいったいどうやってここにたどり着いたのだろうか?
ゲームブックには、指示に従って読んでいては決してたどり着けない隠しパラグラフが含まれていることもある。しかし今の君には関係のない話だ。速やかに元いたパラグラフまで戻りたまえ。
4[編集]
ゲームブックとは、ゲームとして遊べるように書かれた書籍である。典型的なゲームブックの本文は番号が付けられたパラグラフの羅列から成っているが、君はそれを順番に読み進めるわけではない。各パラグラフの末尾には選択肢と、その選択肢を選んだときどのパラグラフへ進むべきかの指示が書かれている。
聡明な君はすでに気づかれているだろうが、ゲームブックの際立った特徴の一つが、2人称で書かれていることだ。多くのゲームブックは読者が物語の主人公になりきって読み進めることを前提としているので、これは没入感を高めるための工夫である。しかし1人称や3人称で書かれたゲームブックもないわけではない。その場合君は主人公の活躍を背後霊のように見守り、パラグラフの選択を主人公に代わって行う。
人気になったゲームブックの多くは、君がファンタジー世界の冒険者になりきって読み進めるタイプのもので、アドベンチャーゲームブックなどと名付けられていた。本項目でもそれを前提とした説明を行う。
Webメディアであれば、君はクリック一発で目的のパラグラフまでジャンプできる。しかし実物のゲームブックでは、君はページをパラパラとめくって目的のパラグラフを探して本の上を行ったり来たりしなければならない。
高度なゲームブックになると、君は本を読み始める前に君の分身であるキャラクターを作成し、パラグラフ中に書かれた指示に従って冒険記録用紙などと呼ばれるキャラクターの状態を記した紙を刻一刻と書き換える必要がある。もちろん体力が尽きたら冒険は終わりだ。まだ挑戦する気があるなら、君は新しいキャラクターを作って、本の初めからやり直さなければならない。
パラグラフ中には怪物の出現とその怪物のステータスが書かれ、戦闘が発生する場合もある。戦闘になったとき勝敗をどのように判定するかは、たいてい本の冒頭にまとめて書かれているが、紙と鉛筆とサイコロを使って君自身が行うものが多い。戦闘に負ければもちろん冒険は終了だ。君は諦めて本を放り投げてもいいし、懲りずに最初からやり直してもいい。
ここまで読んで、君はなぜそんな不便なことをしていたのだろうかと思うかもしれない。実は、ゲームブックが流行した時代には、個人がコンピューターを所有することはほとんど行われていなかったのだ。もちろんスマホなんて影も形もなかった。だから今ならコンピューターが代わりにやってくれるようなゲームの判定も、紙と鉛筆とサイコロを使って、君自身が一人でやらなければならなかったのだ。
2へ戻れ。
5[編集]
ゲームブックの発祥がいつであるのかは定かではない。日本での初期作品は、1980年に学研から発売された『きみならどうする?』シリーズが知られている。日本で有名になったのは、1984年に社会思想社から『火吹山の魔法使い』が刊行されてからであろう。この後ゲームブックのブームが起きて、各社からさまざまなゲームブックが発売された。
しかし、もしすでに概要をお読みならもうおわかりのことと思うが、ゲームブックは高度なものになるほど、読むのが実に面倒くさかった。コンピューターとその上で遊ぶゲームが普及するにつれて徐々に廃れていき、社会思想社も倒産し、現在ではすっかり絶滅した…かと思いきや、今でも当時を忘れない熱狂的なユーザーによって刊行されているゲームブックも存在する。
2へ戻れ。
6[編集]
君はすでに概要を読んだだろうか? まだ読んでいなければ一旦2へ戻って先に読むことをおすすめする。以下ではすでに読んだものとして説明する。
- 無敵モード
- ゲームブックでのルール判定はすべて君が一人で行う。これを逆手に取って、要求された行動判定はすべて成功したものとして扱い、戦闘はすべて勝利したものとして扱う読み方が存在する。これを無敵モードという。だいたいゲームブックをルール通りに遊ぼうとしたら紙と鉛筆が必要になるし、戦闘などはかなり面倒くさい。これでは電車の中で読むことは実質できない(繰り返すが、ゲームブックが流行した時代にスマホはなかった。電車では本や雑誌や新聞を読んで暇つぶしすることが多かったのである)。無敵モードでは途中でゲームオーバーになって最初からやり直す必要もなく、快適に読み進められる。
- 指セーブ
- ゲームブックでは下手な選択肢を選ぶと、その場で問答無用でゲームオーバーになることがある。そこで、パラグラフジャンプする前に今いるパラグラフのページに指を挟み、ジャンプ先のパラグラフでの結果がまずかったら最初からやり直す代わりに指を挟んだ位置まで戻ってパラグラフの選択をなかったことにする読み方が存在する。これを指セーブという。
- Webメディア上のゲームブックを模したページでは「戻る」ボタンの履歴が実質的にリアルタイムセーブとなって、さらに快適に遊べるだろう。
2へ戻れ。
7[編集]
2へ戻れ。
8[編集]
2へ戻れ。
9[編集]
おめでとう! 君はついにこの項目を読み終えた。
エンディングを示すパラグラフはたいてい最後に配置されるが、中にはネタバレ防止のためか、終わりのパラグラフが本の途中に配置されているものもある。本項目のパラグラフはかなり整然と配置されているが、実際のゲームブックではランダムにシャッフルされており、順番に読み進めてもまったく脈絡のない文章にしかならないものがほとんどである。やはりネタバレ防止のためであろう。