グランド管制

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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グランド管制とは、航空管制業務の区分のひとつで、飛行場(空港)周辺を管理する飛行場管制のうち、主に空港内の移動に関する指示を担うところ。飛行場の名称や地名を付け、〇〇グランド(〇〇GND)と呼ばれる。

危険防止のため、見晴らしの良い管制塔最上部のガラス張りの管制室に置かれることが多い。

空港内の駐機場への移動や、駐機場間の移動、整備場への移動などは、すべてこのグランド管制が管轄することとなる。また、飛行場内を走行する一部の自動車などにも指示を行う。なお駐機場間の移動など航空機が自力ではなくトーイングカーに牽引される場合は、トーイングカーが移動許可をグランド管制に求めることとなる。ふだん航空管制は英語で行われるが、トーイングカーへの指示は母国語で行われることも少なくない。

移動指示は事前に航空機側に共有されている空港内の図面に記された、誘導路を識別する文字により行われる。たとえば「E-3を右、A経由、14番駐機場まで」などである。また同時に多数の航空機が移動する混雑した空港では、道を譲り合うため停止指示があることもある。

出発時、クリアランスデリバリー管制より到着地までの経路確認を行い、フライトプランが正常に提出されていることを確認すると、グランド管制に滑走路までの移動を求める。滑走路までの移動経路を指示され地上走行が始まると、適当な時点でタワー管制へと移管され、離陸許可を待つこととなる。

着陸後は、滑走路から地上の誘導路へと取付誘導路もしくは高速脱出誘導路を経て移動することとなるが、タワー管制からはどの誘導路を使うか指示される。これら滑走路の出入口となる誘導路上に滑走路部分の境界が黄線などで明示されているため、そこからはグランド管制の指示に従って駐機場へと向かうこととなる。駐機場は航空会社等が乗降のために指定するため、グランド管制から駐機場番号を尋ねられることもある。

なお、成田空港などは、駐機場部分を完成するランプコントロール(ランプ管制)を別に設けており、グランド管制は、駐機場部分と滑走路をつなぐ誘導路の管理・指示に専念することとなる。