ギプス
ギプス(ギプス、ドイツ語:Gips、英語:cast)は、治療目的で肉体の特定部位を固定するための治療用具(治療法)のひとつ。
概要[編集]
冒頭にある通り「ドイツ語語源」である[1]。なんで英語じゃないのかってーと、日本医学界はかつてドイツ医学を聖典のように扱っていた歴史があるから。カルテやメスもドイツ語由来。
むかしは包帯を巻いた上に石膏を塗りつけて乾かす方式が主流だったが、現在はグラスファイバー製のものが増えている。石膏時代はそれ自体が武器になるくらいに重くて硬かったんだけど、グラスファイバー製はめっさ軽いのでいろいろと負担が軽くなって楽になった、と体感的には思える。
用途[編集]
すぐに骨折治療を思い浮かべる方が多いと思うが、靭帯損傷などの筋繊維治療に対しても用いられる。
なお、肋骨、鎖骨骨折など「ギプスを使用しても(呼吸のたびに横隔膜の動きに応じてズレ動くので)ギプス自体が無意味な部位」にはギプスは用いられない。代わりにコルセットを使用するかまたは『気合で自然にくっつくまで放置』などの治療も行われたりする。でもすげえ痛いんだぜ。
「ほっといても損傷部位が悪化する可能性が著しく低い」とか「職業上、どうしてもギプス固定が出来かねる」といった場合は湿布のみとか、ギプスほど大仰にせず簡単な固定金具(添え木)で済ませる場合もある。そこら辺の治療手法に関してはお医者さんと要相談だっ。
目的[編集]
「損傷部位を遊動させないことで、不作為の動きで患部を悪化させないため」に行われる。例外があるのは前述の通り。
場合によってはギプスで患部固定した上で、ギプス内部の損傷部位が正しく癒着、治癒するのを補助する目的で重りを吊り下げて牽引したり、上に吊り上げることもある。もちろんその場合はベッドに寝たきりになるのでとてもとても退屈だ。天井のシミを数えるスキルを鍛えられる。
不便[編集]
かつては石膏製で水に弱いので入浴時に絶対濡らしてはいけない、と口を酸っぱくして看護師さんとかに言われたものだが、それ以外に「皮膚炎とかになっても軽々しく脱着可能なものではないので、皮膚に雑菌が付着する可能性を下げる目的」というのもあるらしい。こないだ整形外科の先生が言ってた。
なお、半年ほどギプス生活をした場合、ギプスの内部というのは『半年間全く入浴しなかった状態と同じ』なので──お食事中の方も居るかもなので、ご想像にお任せします。いろいろと、すごいよ?
アニメ[編集]
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- 骨折の治療法 - 骨折ネット