キティ・ジェノヴィーズ事件
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キティ・ジェノヴィーズ事件(Murder of Kitty Genovese)は、1964年にアメリカ合衆国ニューヨークで起きた殺人事件。傍観者効果が提唱されるきっかけとなった事件。
概要[編集]
1964年3月13日午前3時15分頃にキティがアパートに帰宅しようとしたところを男Aにナイフで刺される事件が発生。キティは悲鳴をあげて付近の家の明かりが点灯。一度はAはその場を後にするものの、ナイフで刺されて重傷を負いつつも家に向かっていたキティの前に再び戻ってきてナイフで突き刺したことでキティは絶命した。
目撃者[編集]
悲鳴を聞いて近所で明かりをつけた家にいた住民は38人、実際に事件を目撃していた人物も複数人いたにもかかわらず、悲鳴を聞いてから35分もの間、誰も警察に通報していなかった。通報した人物も、かなり消極的な通報だったという。
アメリカの新聞は、最初の悲鳴の時点で警察に通報していればキティが助かったかもしれないとして、この事件を「冷たい都会の住人」として報道。目撃者の写真を晒すべきだという過激な意見もでるほどであった。後に「傍観者効果」で、他の誰かが通報してくれるだろうと思い込んでいたために誰も通報しなかったという説がでてくる。
犯人[編集]
この事件の犯人は、強盗事件で逮捕された容疑者がキティを含めて3人を殺害していたと自白して発覚。性的興奮を覚えるために襲ったと供述した。犯人は死刑判決を言い渡され、後にアメリカ合衆国で死刑が中止されていた期間を経たため、実質終身刑となった。
参考文献[編集]
- 『38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェノヴィーズ事件の真相』(2011年5月、青土社。著者;A・M・ローゼンタール、訳者:田畑暁生 )ISBN 978-4791766086