オセルタミビル
オセルタミビル(おせるたみびる、英:oseltamivir)はA型、B型の抗インフルエンザ薬である。B型インフルエンザには効きにくいと言われ、C型には効果はない。
作用機序[編集]
インフルエンザウイルスが宿主細胞から別の細胞へと感染を広げる際に必要となるノイラミニダーゼ (neuraminidase,NA) という酵素(糖タンパク質)を阻害して、感染の拡大を防ぐ。インフルエンザウイルスの表面には増殖に必要なタンパク質(赤血球凝集素とノイラミニダーゼ)がある。そのノイラミニダーゼを阻害して、インフルエンザウィルスの増殖を防ぐ。
開発[編集]
1996年にギリアド・サイエンシズ(アメリカ合衆国を拠点とする世界第2位の大手バイオ製薬会社)が開発した薬である。製造販売はエフ・ホフマン・ラ・ロシュ(スイスの製薬会社)(日本ではロシュの子会社の中外製薬)が行う。ロシュの商品名は「タミフル」である。
日本では沢井製薬が「オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」」の名称で、後発薬を販売している[1]。
ノイラミニダーゼ阻害剤にはほかにノバルティス・ファーマのシンメトレル(塩酸アマンタジン)、グラクソ・スミスクラインのリレンザ(ザナミビル)がある。
特許[編集]
オセルタミビルの製造特許は、「特表2004-501184」(組成物の調製方法)が成立している。出願人はエフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アーゲー、出願日は平成13年6月18日(2001.6.18)である。 製造方法は、中華料理の香辛料である八角から抽出されるシキミ酸から化学反応を経て合成されている。タミフルの製造は植物由来の原料が使われているため、供給が不安定で原料代は高騰しやすいと言われる。
タミフルの備蓄[編集]
国民の45%相当の4500万人分の備蓄を目標としている。2010年4月から有効期限切れが発生するため、廃棄などに伴い発生する膨大な経費にどう対応するかが課題となっている[2]。