エンゲル係数

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エンゲル係数(えんげるけいすう)は、家計の消費支出に占める食費の割合のこと。所得が低くなるほど、この係数が高くなるという法則をエンゲルの法則という。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲル(1821〜1896)が発見した。マルクスの盟友フリードリヒ・エンゲルスとは無関係。

ちなみに「エンゲルス係数」はよくある誤りである。エンゲル係数が労働運動・生活改善要求と関係が深かったための誤りであるとされる。

概要[編集]

生活必需品たる食料品を購入する費用、つまり食費は富裕層だろうが貧困層だろうが、増え方にも限度があり減らそうにもさして減らせないため、ある程度所得水準によらず固定化される。よって、エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされてきた。しかし、かつて各国の労働者の多くを占めていた第一次産業関係者が割合的に激減するなど都市化した現在では商品価格の水準・生活様式・食生活の内情・周辺環境が多様になったことで各家庭の前提条件に大きな相違があって比較にならなくなったとして重要度が下がっている。住居費にも賃貸か自前の住宅かによる差異、住宅ローンの場合はどのような判断をすべきかなど問題は山積されるため、以前ほど重要視されてはいないエンゲル係数の高低は生活水準を表す指標となっているが、価格体系や生活慣習の異なる社会集団の比較には必ずしも役立たなくなった。高齢化による世帯構成の変化、『食材を手に入れて家庭内で調理する』場合に比べると『調理食品の購入や外食する』場合の増加など同じ栄養価を得るための費用は加工やサービスの費用が高くなるので、以前よりも食費の割合を全体として拡大させる要因となっている[1]

昨今では核家族や一人暮らしが増えて中食が増えるなどの要因により、一概にエンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとは言えなくなってきている。

エンゲル係数が上がる要因は、円安による輸入食材の価格上昇、天候不順による生鮮食料品の高騰の他、少子化による家族構成の変化などによる。

基本外食は、交際費や遊興娯楽費などに該当するので家計費の中の食費には入らない。

事例[編集]

たとえば、金田正一1965年の春季キャンプに持ち込んだ特製スタミナ料理は1食1万円、当時の大学卒初任給の半月分だった。

漫画「美味しんぼ」にも「日本人はエンゲル係数が低すぎる(もっと食事に気を使うべき)」という発言が登場するが、この作品の登場人物の味覚は「出された飯を食べただけで米の品種はおろか産地まで見抜く」「蟹料理を食べて下ごしらえの際に焼いたかゆでたか判別できる」という水準のもので、一般庶民のエンゲル係数と同列に比較できないのは無理もないところである。

脚注[編集]

  1. 『貯金兄弟』p232竹内謙礼, ‎青木寿幸、 2015年』

関連項目[編集]