イーブンバー
イーブンバー(英:Even Bar)とは、電気オルガン(ハモンドオルガン)のバリエーションのことである。ドローバーオルガンの派生楽器。
概要[編集]
由来は、ハモンドオルガンにおけるオルガンフルートの音色を作るための棒(ドローバー)の数が過剰という意味が語源。「イーブン(even)」は、「同じオクターブの高さの、一様な」という意味で、「バー(bar)」は、「電気オルガンに付いているレバー」のことである。2台の電気オルガンがあり、ある音を出したときに、1台の電気オルガンでは鳴らせないフィートを加えるため、もう1台の電気オルガンで2オクターブと完全5度高い(基音から第6倍音上)フィートをミックスして、音を調和したもの。全体的に、電気オルガンが含むフィートの最高音(1フィート)を超える高いフィートを加えたもので、イーブンバーの音色が含む周波数成分は、1つのフィートの音色はサイン波で、フィートの成分は、16'=基音、8'、4'、2 2/3'、2'、1 1/3'、1'、2/3'、1/3'、1/6'を組み合わせた音色で、パイプオルガンが含むフィートに見せかけている状態で、電気オルガンの音色のバリエーション自体がパイプオルガンの音色に似てるのが特徴。元のドローバーオルガンに比べて明るい音色と厚みのある豊かな音色がする。イーブンバーの音色は、「パイプオルガン」の音色に似ていて、「ブライトパイプオルガン」「シンセパイプオルガン(?)」のような音色といえる。パイプオルガンにおける、サイン波かフルート系の音色を組み合わせた音色である。サイン波のみで作ったパイプオルガンの音色といえる。電気オルガンのバリエーションとは言えない。中規模なパイプオルガンの音色。フルカプラーではない。
パイプオルガンのストップレバーで、8フィートより高いフィートの音色成分のうち、トランペット系やストリングス系の音色の音量成分を少なくし、サイン波かフルート系の音色の音量成分を多く組み合わせたものといえる。
そもそも、イーブンバーとは、General MIDI(GM)音源(128音色)、GM2音源には存在しないため、実際には存在しないオルガンの名前で、架空の楽器名であり、音色名としては、普通「イーブンバー」とは呼ばずに「パイプオルガンのバリエーション音」「ブライトパイプオルガン」として扱うべきである。「パイプオルガン」を参照。
かつては、YAMAHAのXGの音源(480XG、PSR-350の場合は480エクスパンド)、CASIOのAL-100Rに使用されていたが、イーブンバーの音色は、ブライトパイプオルガンと同じ扱いであるため、イーブンバーは、ほとんど使われない。YAMAHAのXG音源対応のDTMは、廃盤になったため、パイプオルガンのバリエーションで代用すべきである。
GM番号は17、バンクセレクトは38(LSB)、MSBは0。エレメントは2つ。
- イーブンバーのフィート数
フィート\音高 | ノートナンバー36(C1)の周波数 |
---|---|
16'=基音 | 32.7Hz |
8' | 65.41Hz |
4' | 130.81Hz |
2 2/3' | 196Hz |
2' | 261.63Hz |
1 1/3' | 392Hz |
1' | 523.25Hz |
2/3'(OVER) | 783.99Hz |
1/3'(OVER) | 1567.99Hz |
1/6'(OVER) | 3135.96Hz |
周波数成分は、基音に対する奇数倍音は含まれていない。