アレックス (オウム)

アレックス(英語:Alex)とは、きわめて高い知能を持つことで知られていたオウム。実際にはオウムの近縁種のヨウムである。

概要

アレックスの飼い主は、アメリカの比較心理学者アイリーン・ペッパーバーグ博士であった。博士はハーバード大学で教鞭をとる傍ら、研究室でアレックスを飼い始めた。
博士はモデル/ライバル法と呼ばれる方法でアレックスを学習させた。アレックスは50以上の単語と7つの色と5つの形を習得した他、ものをおねだりするなどの基本的な会話もできるようになったという。
特に有名なのは、自力で数学の0の概念を理解していたことであろう。ゼロの概念は、人間の子供ですら習得に時間がかかるため、オウムが自力でそれを習得したことは特筆すべきである。
なお、博士によれば、多くのヨウムは訓練すればこの程度の知能を示すといい、アレックスが特に優秀なわけではないという。

動物の、とくに「トリ頭」などと揶揄されていた鳥類が高い知性を持ちうることを証明したアレックスであったが、2007年9月7日、老衰で亡くなった。オウムの寿命が50年ほどといわれる中、31歳での早すぎる死であった。最後の言葉は、博士に発した「じゃあね、また明日。君を愛してるよ」であった。