となりの百鬼夜行

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となりの百鬼夜行』(となりのひゃっきやこう)は、杉本のこによる日本ライトノベル作品。イラストはシヴァ。が担当している。

概要[編集]

2013年4月よりHJ文庫から刊行されたライトノベル作品。

ストーリー[編集]

甘木祐樹は、黒歴史のノートを間違って教師に提出してしまってどうやって回収しようか悩んでいた。そんなとき、砂かけババアという千砂に出会ってノートを回収してもらう。そして、千砂の人間に対する恐怖心を何とかするのに協力することになる。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

甘木 祐樹(あまぎ ゆうき)
本作の主人公。百道高校一年生の男子。
中学時代に好きだった女の子への恋心を書いたポエムのノートを学校に持ってきて友人に見せたところ笑われてしまう。好きな女の子にも冷ややかな笑みを浮かべられてしまい、トラウマになって人の目を気にする引っ込み思案になってしまう。高校になって性格も改善したが、そのときのノートを現国課題と間違えて提出。そのノートを偶然出会った千砂にこっそり取ってきてもらうかわりに、千砂の人間への怖がりを直すことに協力することになる。
一緒にプールに行ったりするうちに、千砂の妖力も回復して淪糸で結ばれることになる。だが、一緒に神社に行ったときに千砂が東郷に襲われて髪飾りを奪われてしまう。落ち込む千砂と一緒にベッドに入るも、香椎苺花の短パンが出てきてしまったことで、心にもないことを言ってしまって千砂と喧嘩をしてしまう。千砂の行方が分からなくなってしばらくたった頃、東郷たちが学校を襲撃してくる。そのときに千砂のことを強く思い、千砂が姿を現す。そして、千砂に好きだと告白して、妖力を増した千砂は猿時を撃退。祐樹は力の弱った東郷をブッ飛ばすのだった。そして、千砂と一緒に明烏に任命された。
千砂(ちさ)
16歳の砂かけババア。十代前半のように幼い見た目で子供っぽい性格。銀髪で母親の形見の髪留めでツインテールにしている。胸が小さいことを指摘されると怒る。
千砂は生まれつき妖力が弱く、千砂の母親は土地を治めていた神社の神主に相談。神主は大量の妖力を消費する危険な技である、砂を金に変える妖術「砂金錬成(さきんれんせい)」を使ってくれれば助けると条件を出したが、千砂の母親が体が弱ってこれ以上金を作り出せない体になると神主は逃げてしまう。それからしばらくして千砂の母親は亡くなり、千砂は人間を怖がるようになってしまった。茜が面倒を見ることになったが外に出ることができなくなってしまう。
人間が怖いために人を驚かせることだできずに、百道高校に異動になったがそこでも人間を驚かすことができずに物置小屋に三か月近く引きこもってしまう。そんなときに偶然出会った祐樹に現国課題と間違えて提出してしまった黒歴史ノートをこっそりと取ってきもらうように頼まれる。そして、ノートを取ってきて祐樹に対人恐怖症を治す協力をしてもらう。
祐樹が千砂のことを妖怪と認識していき、淪糸で結ばれることになる。妖力も異動前まで回復して消える心配は当面なくなった。だが、神社に祐樹と一緒にいったときに東郷に髪飾りを奪われてしまう。祐樹に助けられて、祐樹といっしょにベッドに入ることになったが香椎苺花の短パンが出てきてしまったことで喧嘩してしまう。しばらく姿を消すも、祐樹の想いにこたえて姿を現して好きだと告白される。妖力を増して猿時を撃退。首領によってしばらく姿を消すも、祐樹の元に戻ってきて、祐樹と一緒に明烏の仕事をすることになる。
箱崎 彩葉(はこざき いろは) - 冒頭のカラーイラストでの紹介では箱崎となっているが、P47の文章では筥崎となっている。
祐樹の幼馴染で陸上部員の少女。ポニーテールにしている。男女から人気が高く、男子から告白されるが部活が好きと断っている。パンツやおっぱいなどの単語を躊躇なく言うなど変態的な面もある。
苺花の祐樹への恋心を応援している。
香椎 苺花(かしい まいか)
学級委員長で学年トップの成績を誇る。新入生代表の挨拶をしたり、幼少から習ってきたピアノがプロ級との噂があるなど、男子の憧れの美少女。
神社の祭りで祐樹と再会した時に彩葉の後押しで名前で呼んでもらう。そして、祐樹の黒歴史ノートを呼んだことを伝えて、好意を抱いていることを言おうとしたところ、助けを求める淪糸で千砂の声を聞いた祐樹は、千砂の元に駆け付けていってしまう。
茜(あかね)
千砂の先輩の妖怪。猫又。ネコ耳がついた高校生くらいの女の子のような見た目。巨乳。
千砂のことを「ちぃちゃん」と呼んで色々と気にかけてくれている。人間界で起きている放火事件を明烏として調査しに来て、千砂の様子もみにくる。千砂が祐樹と仲良くやっているのを見て安心して調査を続ける。

その他[編集]

東郷 憲治郎(とうごう けんじろう)
人間世界で猿時と組んで悪事を働いている妖怪。神社で千砂の髪飾りの「木漣の涙(もくれんのなみだ)」を奪う。猿時の手に入れた道具をオークションで売る。
猿時(えんじ)
人間世界で東郷と組んで悪事を働いている妖怪。煤け提灯(すすけぢょうちん)。放火事件を起こして妖力を高めて妖怪の道具を奪う。
吉塚(よしづか) / アンドレ
百道高校の現国担当の男性教師。生徒からは嫌われている。変態で高速をたてに女子の短パンを没収するなどしている。

用語一覧[編集]

百道高校(ももちこうこう)
祐樹たちの通う高校。自由な校風だが、身なりについての校則は細かい。
妖怪(ようかい)
人間に怖がられたり崇められることで存在できる。地域ごとにグループ分けされており、そのなかで一番強い妖怪が首領となる。妖力の弱っている妖怪は持ち場を変えられて、学校などで活動する。そこでも駄目だと消えてしまう。
妖力に関係なく、実体と幽体の切り替えをすることができ、姿を消すことができる。実体のときは通常の物理法則が働くが、幽体のときは霧のような存在になり干渉した物質も幽体に変換できる。
明烏(あけがらす)
優秀な妖怪が首領から任命される。離界して犯罪を犯す妖怪の事件を取り締まって調査解決する。
離界(りかい)
人化の術を習得して人間社会に参加する妖怪。厳しい条件をクリアして、首領に申し込んで許可が出れば離界できるが、無断で離界するものもいる。
淪糸(りんし)
魂が奏でる音である通称「鷺歌(ろか)」の波長があって、お互いが理解することで、魂同士が結ばれるもの。相手の気持ちや考えていることが何となく分かり、相手の心身の危険を察知できるようになる。
木漣の涙(もくれんのなみだ)
八つそれぞれの妖怪の属性を統べる妖怪の一族に代々受け継がれてきた秘宝。一族の当主のみが身につけて、属性における妖怪の王としての象徴となる。

単行本[編集]

HJ文庫ホビージャパン)より刊行。

タイトル 初版発行日 ISBN その他 サブタイトル
となりの百鬼夜行
1.砂かけババアに懐かれました。
2013年4月1日(2013年4月1日発売) ISBN 978-4-7986-0590-6
  • プロローグ
  • 1. 砂をかける少女
  • 2. 体操服とネコ耳少女
  • 3. スクール水着とバスタオル
  • 4. 祭りの夜
  • 5. 砂かけババアと俺の夏
  • エピローグ
  • あとがき

外部リンク[編集]