Liminal Space
Liminal Space(リミナル・スペース)とは、無機質な建築空間に対する曖昧な不安感や現実からの乖離感を感じさせる空間を表すインターネット・ミーム。本義は建築用語であり、廊下や階段、駐車場などといった、ある空間と別の空間をつなぐための人工的構造物を指す[1]。
概要[編集]
略歴[編集]
このミームはThe Backroomsと深く関係しており、2019年5月頃から4chanを中心に流行し始めたこれらのミームの大まかな概念として知られるようになった。同年の8月にはRedditにて、「r/LiminalSpace」というサブレディット(5ちゃんねるで言うところの板)が立ち上げられた[注 1]。twitterでも「Liminal Spaces(@SpaceLiminalBot)」というアカウントがliminal spaceにまつわる画像を多数投稿するなど徐々に一般ユーザーへの広まりを見せる。その後もinstagram、youtubeなど各種SNSで拡散され、Backroomsとともに高い知名度を誇るミームとなった。
どのような概念か[編集]
現時点でインターネットに出回るliminal spaceの特徴としては、「無人」「不安感」「非現実感」が挙げられる。普段なら人がいるであろう場所(例えばショッピングモールや学校、プールや遊園地など)に、微塵も人の気配を感じないような画像であったり、何の変哲もない狭い部屋に一つだけ置かれた椅子のように、現実と非現実のliminal(閾)を捉えるような画像が該当するようである。日本に現存する概念で言えば「廃墟」が近しいといえる。かつて何かが在った、人間の活動空間の成れの果てに感じるノスタルジーは、Liminal Spaceに通ずるものを感じさせる。さらに身近な例でいえば、ショッピングモールの隅の何もない空間、暗い廊下、広くスペースのある倉庫など。いずれにせよ、「無人」という点ではすべての画像に共通する特徴である。
派生ジャンル[編集]
主な派生ジャンルとして、「Dream Pool(ドリーム・プール)」が挙げられる。構成自体はBackroomsとよく似ており、作品により多少差異はあるものの、タイル張りの室内に張り巡らされた水に加え、螺旋階段や人工と思しき窪や手すりなどの特徴が見られる。youtubeではこれらの派生ジャンルを組み合わせた映像作品も公開されており[2]、liminalを手軽に感じることができる。
画像例[編集]
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ “【コラム】Liminal Spaceとは何か - FNMNL (フェノメナル)”. 2024年2月18日確認。
- ↑ “Matt Studios - YouTube”. 2024年2月18日確認。
注釈[編集]
- ↑ 2021年時点で約32万人が参加している。