集水井
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集水井(しゅうすいせい)とは井戸の一種であり、鉛直方向の縦穴と放射状の集水ボーリング孔という構造を持つ井戸である。通常の井戸に比べ、放射状に延びた集水孔により効率的に地下水を集めることができ、地下水のコントロールが必要な地すべり対策として掘られることがあるほか、離島などにおける用水の確保として地下ダムと共に施工されることがある。
地すべり対策として[編集]
地すべりが活発化する要因の一つに地下水の存在が挙げられており、粘土などの滑りやすい層と岩盤の間に地下水が入り込み、その水圧や浮力により上部の土塊が動くとされている。この地下水が多くなるとより活発化しやすくなる。そのため、地下水位をコントロールし、地すべりを抑止するための設備が集水井である。
集水井はクラムシェルという掘削機械により掘削され、壁面はライナープレートという波付け加工された鋼板により覆われる。なお、一定の深度以上の場合はクラムシェルが届かなくなるためバックホウなどで採掘されることもある。底面はコンクリートで覆われ、側面のライナープレートと合わせて地下水が浸透しないような構造になっている。集められた水は排水トンネルなどを通じて排水され、付近の河川などに排出される。
集水井を設置する工事は集水井工と呼び、地すべり対策の中でも抑制工に分類されるものである。
水源として[編集]
農業用水の確保手段として地下ダムを造り、その地下ダムからの地下水汲み上げに集水井が用いられることがある。構造は地すべり対策のものとほぼ同じであり、排水トンネルの代わりに揚水ポンプなどが設置される程度である。