阪急8200系電車
阪急8200系電車(はんきゅう8200けいでんしゃ)は、1995年に登場した阪急電鉄の鉄道車両の1形式。
概要[編集]
当時の神戸線のラッシュ対策として、8000系をベースに2連2本が製造された。
基本構造は8000系8030番台に準ずるが、前面形状が変更される、制御装置にベクトル制御を採用する、ワイドドアや収納式の座席が設けられるなどの改良が図られている。集電装置はシングルアーム式のパンタグラフで、台車はモノリンク式のボルスタレス台車となる、主電動機も200kWの三相誘導電動機を採用し0.75M1.25Tとするなど、後の新車にも影響を与えた。
しかし、阪神・淡路大震災や223系の登場、沿線人口の減少や座席収納による不評がありこれ以上の増備はなされず、以降の増備は走行機器を本系列ベースに設計変更した8000系8040番台で賄われた。
改造[編集]
2007年から2008年にかけて以下の改造が施された。
- 座席を9000系タイプのロングシートに改造。
- スタンションポールの撤去。
- つり革の削減。etc.
2016年には2本とも前照灯がLED化されている。
運用[編集]
1995年6月より運用入りし、2運用・予備0という形で限定運用された。座席収納廃止後は8000系と共通で増結運用に供されていた。
2022年12月のダイヤ改正においては神戸線の増結運用が減らされ、10両固定運用のみとなったが、運用を完全に離脱することはなく、23年7月現在は8000系はおろか6000系の増結編成とも完全な共通運用[注 1]となり、神戸三宮方面の列車でも見かけるようになった。
今後[編集]
阪急では10両編成の運用縮減が相次いでおり、最終的になくなるものと予想されるため、その際は本系列も本来の運用からはお役御免となる。また、ドアが幅広であることや8042Fと異なり機器未更新であることから、異端要素もやや強く10両廃止の際は転用先が見つからず廃車の一途を辿る可能性がある。
しかし、阪急グループで最もカーブが急である伊丹線への入線経験があったり、同種の機器を使用した8040番台が箕面線へ入線していたり、7000系の6連化が1編成だけながらなされたりといった事情もあり、異端要素を無視して機器更新やリニューアルの対象となれば本格的な支線区転用や8両運用残留も不可能ではない。