超正統派

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超正統派(ちょうせいとうは)とは、ユダヤ教の宗派の一つ。正統派のユダヤ教の中でも、特に戒律を守る宗派として知られている。ヘブライ語では、神を畏れる人の意味であるハレディム(表記によってはハレディーム)と呼ばれている。なお、単数形は「ハレディ」(ハレディー)と呼ぶ。

概要[編集]

ラビ・ユダヤ教の教えを守る一派の一つとして数えられる、伝統的な戒律を守る宗派の一派。ほとんどの男性は黒い衣服に黒の帽子をかぶり、もみあげや髭を切らずに伸ばしているため、信者の男性は外見で一目でわかる。

近代化によってできた教育制度を認めずに、イスラエルにおいては、国費で運営されるイエシバと呼ばれる学校で勉強し、ユダヤ教の教義の研究をしている。また、性別の分離に重きをおいており、ユダヤ教の宗派の中でも出生率が高い。

イスラエルのエルサレムでは、超正統派の居住地があり、主流のユダヤ社会とは距離をとっている。

イスラエルでの問題[編集]

超正統派は戒律による性の分離を重視するため、イスラエル国内の女性活動家と対立することも少なくない。また、超正統派の出生率は高いいため、イスラエル建国当時は少数派だったが、段々と規模を拡大していっている。そのことで、次のことが問題とされている。

  • イスラエルは国民皆兵制度にも関わらずに、超正統派はユダヤ教の教義の研究をしているという理由で18歳以上の男子でも徴兵を免除されている。
  • 多くの超正統派は、主流のユダヤ社会とは距離を置いて、ユダヤ教の教義の研究のために定職に就かないため、国費(生活保護)で生活を送っている。
  • 通常の教育機関とは別の神学校に通うため、通常の教育を受けていないため、就労しようとしても難しい。
  • 多くの超正統派は就労していないため、納税もしておらず、貧しい生活を送っている。

これらのことで、イスラエルでは、不平等の是正を訴える世俗派との間で対立が起きている。

2012年2月21日には、イスラエル最高裁で兵役義務を免除する法律が、法の下の平等に反するという判決が出ている。判決では2002年の時限立法のタル法では、兵役免除の条件を制定すると同時に、超正統派が短期の兵役を選択できる制度を作っていたが、寧ろ兵役免除を後押しする結果になっていると判断された。なお、この兵役免除法以前は、宗教学校生徒の兵役免除などは法に規定されておらず、1948年のイスラエル建国以来、国防相が免除を決定していた。

最高裁の判決を受け、ネタニヤフ政権は8月までに法改正をしようとしていたが、連立政権内の兵役の平等化を推進しようとする世俗派政党と改正に反対する宗教政党の対立で難航している。連立政権の中道政党カディマが改正法案の起草を主導していたが、急激な変化を諌めたネタニヤフ首相と対立し、連立政権から離脱してしまう。世論を見ても、超正統派側が兵役を拒否する構えで、世俗派との対立が起きた。その後、法改正が間に合わないまま、兵役を免除する時限立法タル法は、7月31日までの期限を迎えて、2012年8月1日に失効[1]。そして、国防省相は懲役手続きの指示をしたが、超正統派の兵役対象は約6万人にもいる上、食事などの生活規範が厳しいため、当分の間は軍が受け入れるのは困難とみられている。

2013年5月、超正統派の政治勢力が弱くなる中で世俗派のユダヤ教徒と超正統派のユダヤ教徒で対立していた、公共バスの一部で行われていた女性専用座席が廃止される。

2013年7月7日、イスラエルの兵役義務平等化の法案が、内閣で14人の賛成、4人の反対で閣議決定された。その後、超正統派にも兵役を課す法案を可決された。

政党[編集]

超正統派系統の政党には以下の二つがある。

脚注[編集]