象は鼻が長い

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象は鼻が長い」(ぞうははながながい)とは、日本語の文法を研究するときによく引き合いに出される例文。

概要[編集]

問題になるのは、この文章の主語は一体なのかという疑問である。「は」なのか「が」なのか、それとも両方ともなのか、あるいは両方とも主語ではないのか。学者たちの間でも統一した見解は見られていない。おもな見解は以下のとおりである。

  1. 「象は」も「鼻が」も主語。
  2. 「象は」は総主語で、「鼻が」が主語。
  3. 「象は」が主語。「鼻が長い」は述語。
  4. 「象は」は主題で、「鼻が」は主格補語。主語は存在していない。

外国人向けの日本語教育では、「は」は主題、「が」は主語、と教える場合が多い。

同様に「主語と主題」を考察するための例文として、「ボクはウナギだ」もよく引き合いに出される(お店で注文するときのセリフ)。この文章は、英語的発想で捉えると I am an eel. という意味をなさない文になってしまう。英語的発想で「は」を主語と捉えるのではなく、主題として捉えるのがよい、というのが一つの代表的な説である。

書籍名[編集]

  • 象は鼻が長い ― 日本文法入門 (三上章著作集) ISBN 978-4874241172、1960年10月30日、くろしお出版