裏ビデオ
裏ビデオ（うらビデオ）とは、表の大っぴらな流通経路で販売されず、「裏」の流通経路で販売されているアダルトビデオである。
概要[編集]
日本における裏ビデオとは性器にモザイク処理などを施さないで流通しているもので、無修正AVとも呼ばれる。
裏ビデオの原型と言えるのは非合法なわいせつ映画の「ブルーフィルム」で、視聴に映写機などの大型機材を必要とするが一部で熱烈な人気を誇った。これが小型なビデオデッキの登場と普及で裏ビデオ界が活気づいていった。しかし1989年の昭和天皇崩御前後の自粛期間に風俗関係の一斉摘発が入り、裏ビデオは一時的に衰退した。その後は正規のアダルトビデオメーカーが修正処理をかける前提で撮影した作品（正規AV）の素材テープや仮編集レベルの映像が流出するという形でまた裏ビデオ界が活気づいていったと言われる。こうした流出モノの中には製作会社の倒産で借金のカタ代わりに債権者が持ち出した無修正テープも含まれているという。
かつては裏ビデオは物理メディアでしか入手できなかったが、インターネットとブロードバンド環境の普及は物理メディアに頼らない裏ビデオ販売ルートの構築に大きな役割を果たした。販売サイトとデータをアメリカなど無修正AVが合法の国に置かれているインターネットサーバーに置き、ビデオ・オン・デマンド形式で販売されているものを日本に住む個人が購入し、個人で視聴するだけでは日本の法に触れるリスクもないため、一定の市場規模を誇るようになった。そのため裏ビデオという表現は既に死語に近いものとなっているが、何らかの事情で正規AVメーカーからモザイク処理を行う前に流出した無修正の素材を指して裏ビデオと呼ぶこともある。
転義[編集]
もともとの裏ビデオの意味はモザイク処理を施していない非合法状態で流通するアダルトビデオだが、非合法で流通しているという点から転じ
- 撮影禁止のコンサートや演劇などに個人が隠しカメラを持ち込み、無断で撮影した海賊版
- 映画・テレビドラマ・アニメーション作品などで出演者の肖像権を筆頭に様々な理由で正規の映像ソフト化、再放送が望めないもの（いわゆる欠番・封印作品）
- スペル星人が登場するウルトラセブン第12話「遊星より愛をこめて」
- 映画ノストラダムスの大予言
- 倫理上の理由から通常映像化が行われにくいもので、実際に殺人を行うシーンや大量殺戮現場、死体などを映した映像
以上のようなものも裏ビデオと呼ぶことがある。