空白恐怖症

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空白恐怖症(くうはくきょうふしょう)は、予定表が空白になることに恐れをいだくこと。そのため架空の仕事や予定を入れてしまい、忙しく見せかける。2018年、小学館・「大辞泉が選ぶ新語大賞」で「空白恐怖症」は大賞を獲得した[1]

概要[編集]

「大辞泉が選ぶ新語大賞」選考委員の明治大学田中牧郎教授によれば、予定がないことは、実生活が充実していないと感じて、自己否定に傾くとされる。特に生活基盤が安定していないと、空白のスケジュールに不安を感じやすいといわれる。

年齢が上がり、生活基盤が安定すると空白恐怖症は薄れる傾向があるとされる。

ロココ芸術[編集]

山中哲夫はスタロビンスキーを引用して[2]ロココ芸術の特徴は空白恐怖症にあるとした[3]。空間を装飾で埋め尽くし、時間を連続行動で埋め尽くす。その背景にはルイ十五世逝去以降の崩壊し始めた台頭する絶対王政と反絶対主義の思想、台頭するブルジョワジーによる旧体制貴族の不安の表れであるとされた。

参考文献[編集]

  1. 空白恐怖症小学館
  2. ジャン・スタロビンスキー、小西嘉幸訳(1982)『自由の創出―十八世紀の芸術と思想』白水社、p.84
  3. 山中哲夫(1983)『十八世紀における不安の美学』愛知教育大学教科教育センター研究報告、第7号、pp.9-15