禁止することを禁止する

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禁止することを禁止する(きんしすることをきんしする)は、五月革命のスローガンの一つ。禁じることを禁じるとも訳される[1][2]

俳優のジャン・ヤンヌ1968年春にラジオで使ったのが始まりとされ[3]、壁などに落書きされた[1][4]

歴史人口学者家族人類学者エマニュエル・トッドは、このスローガンの考え方が経済の世界に広まり国家の規制が弱くなったことが、金融や経済の危機につながっていると指摘した[2]

論理的にみると[編集]

「禁止することを禁止する」を文字通りに読み解くと、「この文は嘘である」という文の真偽を決定できない嘘つきのパラドックスと同様の自己矛盾に陥る。

すなわち、「禁止することを禁止する」と宣言した瞬間、「禁止することを禁止する」ことすらも禁止されてしまうため、禁止することを禁止されない。すると「禁止することを禁止する」ことは禁止されないため、禁止することを禁止される。すると「禁止することを禁止する」ことが禁止され、禁止することを禁止されない。以下これが無限ループとなり、この一文の有効性は決定できないこととなる。

脚注[編集]

  1. a b パリ五月革命から40年、赤毛のダニーはどこへ | ポット出版 及川健二のパリ修行日記(2007年11月23日)
  2. a b 濱口桂一郎 1968年がリバタリアンの原点 hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)(2008年10月30日)
  3. Baggett, Justin L., "L’héritage" is in the Streets : The text, images and legacy of May 1968. Honors Theses. Paper 271. (12-2014).
  4. 春秋 日本経済新聞(2013年6月18日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]