神津島のトロッコ軌道跡

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神津島のトロッコ跡とは、東京都神津島村にある史跡である。
ウェブサイトによっては、「神津島の石材積出軌道」や「名組湾とトロッコ跡」とも表記される。

概要[編集]

神津島の名組湾一帯にある、かつてトロッコが通ったコンクリート橋の遺構である。昭和17(1942)年頃、日産化学工業によって建設された。
戦前の建設であるにもかかわらず、ラーメン橋という非常に頑丈な設計であるため、現在に至るまで原型をとどめ、独特な光景から付近の観光資源になっている。
なお、一部の橋脚が地面から離れているなどして崩落の危険があるため、現在橋の上は立入禁止である。

もうちょい詳しく[編集]

神津島北部にある神戸山は、山全体が抗火石で形成されている。そのため、昭和初期から中期にかけてはは採石が行われていた。
しかしそこで問題となったのが、輸送手段である。現在でこそ、山のすぐ近くを舗装二車線の都道224号線が走っているが、かつては車が通れるような道路が周辺に一切なかった。そこで、以下のような輸送方法がとられた。

神戸山山頂→(ロープウェー)→海岸→(トロッコ)→小島→船

トロッコは、現在の都道と少しの間並走したのち、2本の橋梁で名組湾の南側の岩場を渡り、最も沖合にある小島に到達し、ボンブと呼ばれる荷下ろし施設の前で終点となる。
ロープウェーと、トロッコ軌道のうち都道との並走区間は完全に撤去されてしまったものの、コンクリート橋や、小島の中での軌道が現存している。他にも、参考文献にある10年ほど前の訪問記録によれば、トロッコの車軸の残骸も周辺に残っているそうである。
なお、この設備は平行道路の整備などによって昭和30(1955)年頃に閉鎖、神戸山からの採石そのものも平成12(2000)に終了している。
コンクリート橋の起点近くにはログハウス調の村営観光施設「どんたくハウス」があり、以前はBBQなどが楽しめたが、現在は利用休止中である。

アクセス[編集]

都道224号(神津本道)沿いであり、港や本村集落から車や自転車で簡単に訪れることができる。
公共交通機関としては、すぐ近くに神津島村営バスの「どんたくハウス」バス停があり、島の港と赤崎方面を結ぶバスが一日に何回か停車する。

参考文献[編集]

https://yamaiga.com/rail/kouzusima/main.htm
https://www.vill.kouzushima.tokyo.jp/today/2020/03/post-547.html