盗聴器
盗聴器(とうちょうき)とは、他人の家屋等に設置し、盗聴を行うための専用の機械。おもに、マイクによって周囲の音声を集音し、それらを電波によって送信するものが知られる。
機構[編集]
盗聴器は、動作するための電源を得るため、家屋内の商用電源の配線具と一体に作られることが多い。つまり、見た目は正常な壁面のコンセント、小型の三叉電源タップ、延長ケーブルといった箇所に仕込まれる。
電池式のものも存在するが、これはもちろん電池が切れた後は使えず、継続的に盗聴を行おうとする場合に選択されることはない。
音声は、電波によって周囲に送信される。周波数は機器によってまちまちであるが、ラジオ・特定小電力無線(トランシーバー)などと被る周波数は避けられる(あまりにかんたんに受信可能であると盗聴が知られる危険があるため)。
盗聴音声を伝える電波は、マイクに設定以上の音量の声を受けた場合にのみ発するタイプと、常時電波を発しているタイプが存在する。
法律との関わり[編集]
盗聴器それ自体の製造や販売は、電波法に反しない限り、咎められることは無い、とされている。
電波法では、このように免許なく無線信号を発する場合、微弱な出力に限った微弱無線局の規定を満たすことを求めている。しかし、受信の便のために、より強い出力を用い、遠くでも受信できるようにしようとすると、電波法に反することとなる。
また、設置の際には、盗聴しようとする行為がプライバシー権の侵害となり得ること、そして設置のために他人の住居等に不法に侵入した場合は当然であるが罪に問われることとなる。
以上のように、盗聴器はその取扱い上、細心の注意を払わなければならない。
対策[編集]
盗聴された音声を伝える電波は、広範な範囲の周波数を受信できるような無線機を用いて探索できる。つまり、無線機で様々な周波数をスキャンしながら、盗聴と思わしき電波を受信したならば、どこかに盗聴器が存在する、ということになる。
居室に仕掛けられている、という事を確信するために、テレビやラジオ、音楽等の特徴的な音声を部屋に流しながら探す。
詳細な場所を探すためには、無線機のスピーカーの音量を大きくし、部屋のコンセント等隅々に近付けてみる。盗聴器を仕掛けられている場所に無線機を近付けると、ハウリングを起こし、キーンという煩い音が聞こえる。
なおこの無線機を使用した盗聴器発見は電波を使う盗聴器の発見はできるものの、旧来の無線を使わない録音機を発見することはできない。
盗聴を行おうとする者が、家屋内などに仕掛ける場合と、中古の電源タップなどによって偶然に仕掛けられた状態になる場合がある。