煮切り醤油

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煮切り醬油(にきりしょうゆ)とは、醤油と日本酒を同割にしたものを加熱してアルコール分を飛ばしたものをいう。
甘みが増すかわりに醤油の香味成分(エステル化合物なので、これもアルコールのうちである)が薄れるが、生醤油の角が取れてコクが増す。寿司用のつけ醤油・かけ醤油などにも使われ、白身魚の風味を邪魔しにくい。

概要[編集]

そばつゆに使われるかえし(煮返し醤油)も煮切り醤油の一種である。ただし、かえしは日本酒・味醂・砂糖・水などを加え、だしなどを加えることもあるのでブレンドの妙を味わえるかわりにレシピが面倒臭くなる。かえしは別名を八方汁ともいい、味醂やだし汁との配合比によっていろいろな日本料理に使いまわせる。
注意点としては、味醂にはグルコース・マルトース・イソマルトース・コウジビオース、トレハロースなどが多種含まれているため、「味に広がりがある」反面「くどくて田舎臭い」という評価もあり、そのあたりが工夫のしどころとなる。

レシピ[編集]

紫蘇の実の醤油漬[編集]

紫蘇の実が成ったら花穂を取って水洗いし、さらに身を扱き取って、蓋つきのカラス容器に同量の煮切り醤油をいれて保存する。ご飯のお供に。豆ごはんにもよく合う。
残念ながら、それなり畑がないと醤油漬けにするほどの紫蘇の実が入手できない。 「紫蘇の葉っぱのほうはないのか、葉っぱは!」と、普段温厚な人が怒鳴るくらいうまい。

青山椒の実の醤油漬[編集]

こちらは八百屋で売っているので入手は問題ない。もいで洗ってひたひたの煮切り醤油に漬けるだけ。ただし地方だと都市部に輸出されてしまって山椒の実が入手しづらい。都市近郊に住む知人がいれば、作って送ってもらうのがいちばん。

いくらの醤油漬[編集]

正確に筋子の醤油漬。すじこを買ってきて五十度ほどの湯に入れて(ここでちょっと白くなるのは心配する必要がない。冷たい筋子によってお湯の温度が下がるから)、表面の皮をとって粒に分け、洗ってから「よく洗った煮沸消毒した貯蔵瓶」に入れて、ひたひたになるまで煮切り醤油を入れて保存する。保存期間は気にしたことはないが、熱々の白飯にいくら醤油漬けをのせて海苔をかけて山葵をそえると、白飯と醤油漬が見る間に消える。 漬汁はご飯に合うほか、刺身にかけて一晩おき、ヅケ丼やヅケ茶漬にするとエコである。 いくら・筋子は季節ものだから、パッケージプラザで小さい器を買ってきて冷凍庫で一気に冷凍すると一年保つそうだが、筋子が高いのとすぐ消えるのでやったことはない。