湯けむりの中で

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湯けむりの中で』(ゆけむりのなかで)は、「薔薇族1987年漫画増刊「バラコミ」2号に掲載された山川純一の一話完結の漫画である。

あらすじ[編集]

東京に住むサラリーマン金沢正美は金沢に旅行に来ている。街並みを楽しむなど、旅の楽しみを満喫する正美が、一番好きなのは男性との密かな出会いが出来るかもしれない温泉。早速温泉に入るが、先客はいない。残念がる正美だが、後から一人の男性がやってくる。早瀬謙介と名乗る男性は、気さくに正美に話しかけ、すぐに話も弾み、打ち解ける。話も尽きてきたころ、のぼせかけている正美は風呂を出ようと思っても、屹立した自分の男性器を晒すわけにはいかず、どうにか押さえようとするが、謙介の姿を見ると、それもできない。その様子を見て、謙介は自分はもう体中が赤く成る程のぼせていると言いつつ、水面に屹立した男性器を浮かべる。好みの男性の男性器を目の前にして言葉を失う正美。謙介はその様子を見て正美を抱こうとするが、脱衣所から謙介を呼ぶ一人の男性が現れて、行為は中断される。正美には後ろを向いたままでいるように諭し、謙介は脱衣所の男性の元へ行く。恋人がいないと言っていたにも拘らず自分を抱こうとした謙介に憤った正美は、脱衣所から戻ってきた謙介から急遽帰京することになったと告げられ、別れの握手を求められる。袖にする正美。謙介は言い訳もせずに、別れを告げる。そんな中、他の入浴客の会話から、謙介が背中に刺青を持つ関東の暴力団の次期組長であることを知る。二人で入浴している時、彼は刺青の入った背を正美に向けることはなかった。謙介は刺青を見せることで正美に自分の正体を悟らせたくなかったのだ。正美は湯煙の中で見せた謙介の優しさに胸を締め付けられてしまう思いを抱く。

登場人物[編集]

金沢正美(かなざわ まさみ)
東京の会社に勤めるサラリーマンで、24歳。主人公。ゲイであり、古風な街並みの石川県金沢、そして温泉が好き。
早瀬謙介(はやせ けんすけ)
東京から旅行に来ていた男性で、30歳のゲイ。気さくだが、正体は緋門組の次期組長。物語終盤、父親である組長が射殺されたことを知り、急いで帰京する。背中には般若の刺青がある。
謙介を呼びに来た男性
名は不明。謙介の子分で、緋門組構成員。
入浴客のおっちゃんたち
謙介が浴室を出た後に入ってきた、中年男二人組。

関連項目[編集]