油滴天目茶碗

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

油滴天目茶碗(ゆてきてんもくちゃわん英:Tenmoku Bowl with Oil-spot Pattern )は漆黒の釉の内・外面に銀色の油滴に似た斑紋が現れた天目茶碗である。室町時代には「油滴」、「油滴天目」と呼ばれていた。

概要[編集]

『君台観左右帳記』(1511年、永正八年)では、「曜変天目」につぐ第二位の価値があるとした。江戸時代には唐物茶碗は権威の象徴として、将軍家の宝物となっていた。

2016年9月15日、クリスティーズのオークションで、「油滴天目茶碗」が約12億円(1170万ドル)で取引された。黒田家伝来の元重要美術品と言われる[1][2]

名品の所蔵[編集]

  • 九州国立博物館
    • 重要文化財指定(昭和6年1月19日)。南宋時代12~13世紀建窯。戸後期の大名茶人・松平不昧の所蔵品であったという。
  • 大阪市立東洋陶磁美術館
    • 国宝指定。福建省建窯。金覆輪が付属する。「油滴中の油滴」と言われ、第一等に挙げられている。鎌倉時代に伝来し、関白秀次が所持品から西本願寺、京都六角の三井家、若狭酒井家から安宅コレクションを経て大阪市立東洋陶磁美術館所蔵となる。1931年1月19日 重文指定、1951年6月9日 国宝指定。
  • 大徳寺龍光院
    • 明治41年4月23日重要文化財(旧国宝)指定。附螺鈿唐草文天目台 天字印・分銅形印。慶長15年、津田宗及の子の江月宗玩が大徳寺龍光院を継ぎ、大徳寺に伝わった。南宋時代(12〜13世紀)。

注・参考文献[編集]