民生品

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民生品(みんせいひん)とは、一般消費者向けの製品を指す言葉。相応の知識を持つ専門家が使用することを想定する業務用製品に対して、分かりやすい設定項目や操作が求められる。民生用家庭用などとも呼ばれる。

一般に、民生品に対して業務用製品は、業務として携わる者が扱う前提のため、設定が複雑だったり、設定項目が非常に多かったりする。あるいは、特殊な状況下での使用などで、堅牢性や衛生、耐水性などが求められることも多い。そういった場面で扱われる業務用製品に対し、一般家庭において一般的な消費者が利用する前提で、設定を自動化したり、操作を分かりやすくしたり、家庭用では無駄になる機能・性能を削ったりして、戸惑わずに操作できるよう、また手に取りやすい価格にしているのが民生品。業務用製品は専門の代理店や直販で販売されることが多く、製品によっては個人での新品所有が事実上不可能なものもある。

ざっくりいうと「コンビニに置いてあるゴツい電子レンジは業務用、おうちにある分かりやすいのが民生品(家庭用)」。

業界別の特徴[編集]

民生品とは単に業務用の対義語なので、業界により求められることが異なってくる。また、冗長化のため複数台を同時に使ったり、そのような構成を前提とした機器もある。

車載用と家庭用[編集]

常時自動車に載せて使う車載用の機器は、振動や熱など、一般の環境に比べて過酷な状況で使われることもある。そのため、音楽プレイヤーやカーナビなどの車載機器は、振動を伝えないHDDマウンタなど、様々な対策を施している。また、いわゆるシガーソケットの電圧であるDC12Vで動作する製品も多い。

医療グレード[編集]

医療現場においては、細菌などの汚染や製造ミスが文字通り命取りになるため、高い品質管理が求められている。そのため、医療現場で用いられる機器は医療機器または医療グレードなどと明確に区別され、注射針などは滅菌された上で使用直前までパッケージから出さず、使用後は血液が付着しているため速やかに指定機関に回収してもらう事が定められているなど、規制も厳しくなっている。

また、医院などで多く見かける赤いコンセントは、自家発電装置によるバックアップがなされた電源であり、生命維持装置などが停電により失われないように設けられているものである。

光学機器・放送用機器[編集]

カメラなどの光学機器は、設定項目が多いため、一眼レフカメラなどのプロ・ハイアマチュア向け製品と、コンパクトデジタルカメラ(あるいはスマートフォンのカメラ機能)などの一般消費者向け製品で設定項目などに差がある。

放送用機器では、放送事故の防止のため高い信頼性が求められている。生放送用のカメラには業務用機器よりも信頼性の高い「放送用機器」が用意されたり、一般的なカメラには使われない「シンクジェネレータ・タイムコード」入力端子が存在する。また、映像の確認用として色の再現がきちんと行える「マスターモニタ・リファレンスモニタ」などの機器も存在する。

軍事[編集]

軍事用製品は、その性能が他国に漏洩されないよう厳格な情報管理がなされたり、廃棄される際でも復元できないようスクラップとして処理される場合も多い。過酷な状況下においても性能を発揮できるような設計が求められる。