最後で最高の密室
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『最後で最高の密室』(原題:The Locked Room to End the Locked Room)とは、1965年にアメリカの作家スティーヴン・パーが発表した短編推理小説である。
概要[編集]
『EQMM』1965年8月号で発表された。日本では、2007年刊行の『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』(角川書店)や、2008年刊行の『天外消失 : 世界短篇傑作集』(早川書房)などで読むことができる。
作者のスティーヴン・パーは生年や経歴などが明らかになっておらず、発表した作品もわずか十篇ほどにすぎない。この『最後で最高の密室』が最もよく知られた作品である。
類似するトリックの作品として、2000年代初頭の国内作品である(伏せ字)斎藤肇『答えのない密室』(ここまで)がある。
あらすじ[編集]
ロンドンの小さな社交クラブ「リージェント・クラブ」で、シルヴァン・ムーア博士は奇妙な密室殺人の思い出を語り始めた。
ペトラス・デンダーは第一次世界大戦で数多くの武勲をあげた男であり、戦後は政府関係の秘密任務にあたっている。厳格な性格が災いしたのか、妻のリリーは心労のために若くして死去。息子のジョナサンに対しても厳しい教育を行っていた。
ある日、デンダーが屋敷の二階の寝室で首を切られて死んでいるのが発見される。首を切った斧は地下室に置かれており、自殺の可能性はない。にもかかわらず、屋敷のなかに犯人の姿はなく、全てのドアや窓には錠がかかっていて外に出ることは不可能であった。いったい何が起こったのか...?
類似作品[編集]
- ほぼ同じトリックを用いた作品として、2024年発表の国内短編である(伏せ字)斜線堂有紀『鳥の密室』がある。『最後で最高の密室』が良くも悪くも一発オチ的な印象を与えるのに対して、こちらの作品はそのトリックを用いる必然性・状況設定が巧みに演出されている。