昆虫採集セット(こんちゅうさいしゅうせっと)は、昭和時代に売られていた昆虫採集用の道具一式の事である。
一つの箱の中に、ピンセット、注射器、三角紙、謎の液体などがまとめて売られていた。本当にこれを使って昆虫採集をしていた人がいたかは謎である。おそらく大半は文房具メーカーのやっつけ仕事だと思われる。いわば、昆虫採集ごっこセットの域を出なかった。
文学作品での登場例[編集]
昭和44年を舞台にした推理小説『吸血の家』の一節 ――
『(略)それから、
カケスのほうは目立った外傷がない。だから、もしかすると、毒は注射器で体内に射たれたものかもしれないな』
「注射器?」
『そうだ。注射器なら、子供の昆虫採集セットでも買ってくれば、すぐ手に入るしな』
「なんて残酷な仕打ちなんだ……」
— 二階堂黎人『吸血の家』(発表は1995年)