怪夢(かいむ)とは夢野久作の短編オムニバスである。昭和6年10月に「文学時代」第三巻第十号へ、昭和7年6月に「探偵クラブ」第一巻第三号へ発表された作品を纏めたものになる。作品は「工場」「空中」「街路」「病院」「七本の海藻」「硝子世界」の全6篇。いずれも幻想ホラーとでも分類すべき内容であり、原稿用紙たかだか数枚ほどのショート・ショートである。特に「病院」は、夢野旧作の代表作にして稀代の傑作「ドグラ・マグラ」を髣髴とさせる内容で、非常に興味深いものがある。