山本周五郎

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山本周五郎(やまもと しゅうごろう、1903年6月22日-1967年2月14日)は、歴史・時代小説作家。

人物[編集]

本名・清水三十六(サトム)。山梨県生まれ。横浜第一中学校中退。丁稚として山本周五郎商店に勤務し、のち筆名とする。同店では貧しい者のために銭を入れた籠を置いておいたという。1925年「須磨寺付近」で『文藝春秋』の懸賞小説に当選し、デビューする。1943年『日本婦道記』で直木三十五賞に決まるが辞退する。

その後、多くの時代・歴史小説のほか、『青べか物語』『寝ぼけ署長』『季節のない街』など現代小説も書いた。アメリカ映画を愛好し、それを換骨奪胎した作品も多い。伊達騒動原田甲斐を実は善人として描いた『樅ノ木は残った』(1958)で毎日出版文化賞を授与されるが、これも辞退。同作は1970年、大河ドラマ原作となり、平幹二郎が主役を演じた。なお原田甲斐を善人として描くのは村上浪六の『原田甲斐』が最初である。

『季節のない街』は黒澤明が「どですかでん」として映画化した。ほかに『ながい坂』、アメリカの音楽家フォスターの生涯をもとに翻案した『虚空遍歴』、由比正雪の生涯を空想で描いた『正雪記』などのほか短編は数多く、それらはほとんど新潮文庫から刊行されており、新潮社は1988年に純文学の三島由紀夫賞と大衆文学の山本周五郎賞を設定して今日にいたっている。