射精管理

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Achtung.png 記事についての注意
この記事は性的な内容あるいはエロチックな表現が含まれている場合があります。未成年者や公共の場所に居る方は周りを十分見渡してから!お読みの際はご注意ください。

射精管理とは、自分の思うように射精することを物理的・精神的に制限すること、または射精を強制することによるディシプリンの一つ。男性用貞操帯などの器具を利用することが多いが、必須ではない。

概要[編集]

射精管理は特定の男性に対しする性行為(おもに自慰)の制限、および射精の制限・許可・強要を主体とするディシプリンの一種である。管理者は、配偶者恋人愛人BDSMにおける支配者など、性的なパートナーであることが多い。また貞操帯を装着する際に鍵を保持することからキーホルダーとも呼ばれることがある。

大多数の成人男性にとって、自慰や射精の自由は、性的欲求不満を解消する行為であるため、これらを他者によって制限されることは、精神的苦痛を伴う。それに加えて、どの男性も自分の意思によって射精を自由に持つという社会的通念がある。射精管理はこれらを倒錯することによる快感を得るマゾヒズムのひとつの形態であるとみなすことができる。

その一方で、管理する側へは射精管理による制限や負荷がほとんどないため、管理者がサディズムの嗜好をもつ必要はない。管理者になる動機やきっかけは、被管理者の浮気防止のため、被管理者に対する支配を確立・維持するため、被管理者の服従欲やマゾヒズムを満たすため、など様々である。とくに管理者が女性である場合には、フェムドムと呼ばれる状況が自然に生じることとなる。

なお、怪我などの身体的理由や、プライベートな空間を確保できないなどの社会的理由、あるいは男性本人が自らの意思で自慰の機会を制限することは俗に「オナ禁」と呼ばれ、管理者の存在を想定する射精管理とは区別される。

主従関係の強化[編集]

管理者は支配する側、被管理者は服従する側と見た場合、射精管理には主従関係の強化につながる要素が多く見られる。

被管理者側から見た主従関係の強化要因[編集]

  • 男性機能や自慰の自由を奪われることによる不安
  • 自ら性的欲求不満をコントロールできなくなることのストレス
  • 射精の許可を求めるために、服従を余儀なくされる状況
  • 射精管理されることによるマゾヒズムの刺激
  • 管理者はストレスなく、性的に自由であるという格差の実感
  • 管理をいったん合意したという一貫性の原理
  • 貞操帯の装着による、管理を意識する機会の増大

管理者側から見た主従関係の強化要因[編集]

  • 射精を管理できることから得られる万能感
  • 自分しか与えられない報酬(射精)がコストゼロ
  • 性的奉仕などを要求しやすくなる優位性
  • 被管理者からの依存の安定化
  • いったん得た支配権を失いたくないという保有効果

射精の許可は、あらかじめ許可条件や許可日を設定して与えることも可能であるが、管理者が気まぐれに与えるほうが、射精管理を安定して運用しやすい傾向がある。報酬としてのオーガズムをランダムに与えることで、ギャンブル依存症に見られる部分強化充足パラドックスが働くため、被管理者が射精管理に対してさらに依存する状況につながりやすい。

期間による射精管理の分類[編集]

短期の射精管理[編集]

性行為中に行われる程度の軽度の射精管理である。男性側にそれほど被虐的な嗜好がなくても受け入れられやすく、一部は通常の性交時にもコミュニケーション上、自然に行わていることも多い。

具体的には次のとおりで、これらを組み合わせることもある。

挿入時の射精の禁止[編集]

性交時に女性が射精の我慢や、膣外射精を求めるなど。

寸止め[編集]

男性がオーガズムに近づくたびに刺激をやめることを繰り返す。ペニスへの刺激はパートナーが与える場合と、男性自身に自慰を行わせる方法がある。

コックリングの使用[編集]

コックリングをペニスに装着して、勃起状態をコントロールしたり、ペニスの感度を調整したりする。

自慰の管理[編集]

男性にたいして自分の性器を触ることを一時的に禁じる。手錠などを使って、物理的に性器への接触を制限してもよい。あるいは、自慰は許容するが、刺激の範囲やその与え方、ピストン運動の回数などに対して制限を加える方法もある。

カウントダウン[編集]

自慰を行わせながら、パートナーが10から0までカウントダウンしていき、0と言ったタイミングで必ず射精させるというもの。パートナーが求めるタイミングで射精できるように管理するために、非常に有効な訓練方法である。必ずしも0まで数える必要はなく、途中でカウントアップしたり、カウントをやめるなどを繰り返す。

強制射精[編集]

手淫口淫、性交、バイブレータオナホールなどの手段によって、被管理者の意に反する射精を強制するもの。射精後にも引き続き刺激を与え続ける行為や、比較的短時間に連続的に射精させる行為もこれに含まれる。

貞操帯の装着[編集]

プレイの一貫として一時的に非管理者となる男性に貞操帯を装着する。管理者・非管理者の片方が興味ないような場合に貞操帯を使いたい場合に、よい導入となりえるとともに、貞操帯の扱いにも慣れておくことができる。ただし、慣れていない被管理者が勃起してしまうと苦痛を伴う可能性が高いので、すぐに外せるようにしておくとよい。


中期の射精管理[編集]

日常の無理のない範囲で男性の性的欲求をコントロールする。中期および長期の射精管理にあたっては、管理者と被管理者の間での合意事項をまとめた契約書を形式的に使うこともある。この契約書に法的効力はなく、とくに被管理者側に対する精神的な効力を期待するものである。

自慰・射精の報告制の導入[編集]

自慰をするたびに、または射精のたびに、管理者に報告を義務付ける約束を行うものである。自慰中の様子やネタ、射精後の精液を、画像などで記録させ、報告に加えさせることもある。

自慰・射精の許可制の導入[編集]

自慰をする際や射精する際には、予め許可を必要とすることを約束させる。報告制とともに導入されることが多い。パートナーと同居しているような場合には、貞操帯を導入することも検討できる。

自慰・射精の命令[編集]

被管理者の欲求と関係なく、自慰や射精を強要させる。自慰の状況や仕方、オナペットを管理者が指定することもある。


長期の射精管理[編集]

数日から数週間、あるいは数カ月にわたって自慰および射精をコントロールする。数週間を超えた頃から、被管理者は性欲が減退することがしばしば見られる。

貞操帯による管理[編集]

日常的に貞操帯を装着することを義務づける。錠を使って被管理者が自ら取りはずせないようにしたり、特徴のある紐やラベル付きのタイラップを用いて一旦取り外したら現状復帰できないようにする。錠の場合はその鍵を管理者が預かる。(非常時のために、封入するなどの状態でスペアキーを被管理者に渡すこともある。)なお、貞操帯を用いていても、尿道口の刺激、夢精前立腺刺激などによる射精は完全に妨ぐことはできない。

精神面による管理[編集]

貞操帯の導入が難しい場合でも、被管理者の忠誠度が十分に強い場合に、精神的な縛りによって射精管理をできることがある。導入にあたっては、自慰の報告制、許可制の導入を行い、射精を許可する間隔を少しずつ伸ばしていくなどの方法がある。

射精管理による精神面への影響[編集]

管理者と被管理者の間には、自然と上下の関係が形成されやすくなる。一旦、射精管理によって上下関係が生じると、管理者側は優越感を心地よく感じる一方で、被管理者側は自ずと従順にならざるをえず、また被虐的な快感に目覚めることがあるため、上下関係の範囲が拡大されたり固定されたりしやすい。ただし射精直後は、一時的に管理者のコントロールが効きにくくなるため、引き続いて射精管理体制を続けるためには、少し注意を払う必要がある。具体的には、あらかじめ射精の条件に次の射精管理を加えておいたり、ふたたび性的刺激を与えて射精に対する欲求を生じさせてから、管理を宣言するという方法がある。

被管理者が性欲旺盛な場合、射精管理が続くと十分な性的欲求を解消することができなくなり、通常時に加えて性的欲求を抱えやすくなる。

被管理者に被虐的な性的嗜好がある場合には、射精管理されているという状況自体に性的欲求を喚起され、管理されたい欲求と射精したい欲求によるダブルバインドになり、それを合法的に解消できる管理者への依存度と忠誠度が強化される傾向がある。

射精管理による肉体面への影響[編集]

射精をせずに精液が体内に滞留しつづけることによる影響はほとんどないと言われているが、ブルーボールズ(英語版)と呼ばれる一時的な不快感(ときに鈍い痛みを伴う)が続くことがある。これは陰部に滞留した血液が神経を圧迫することにより生じるものであり、肉体面への影響もないと言われている。

射精管理中に、前立腺を刺激することで、射精を伴わない形で精液を放出させる方法もある。肛門や前立腺および精嚢を刺激して性的快感を得ながら放出する方法と、精嚢を圧迫することによって性的快感をあまり伴わずに放精する、俗にミルキング(搾精)と呼ばれる方法がある。

貞操帯装着時には、勃起が妨げられることにより、陰茎に痛みを覚えることがある。あまり強度が強い場合には陰茎を損傷する可能性があるため、勃起を収めるよう努めるか、貞操帯を脱着する必要がある。またコックリングを長時間装着している場合も、持続勃起症により陰茎に後遺症を残す可能性があるため、ごく20-30分程度に留めるべきである。